財産分与で税金はかかる?受け取る側、する側別に種類や節税対策を解説

離婚とお金

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財産分与の際に盲点になりがちなのが税金です。

自分の希望していた財産を手に入れることができた、と思いきや、高額な税金を課されてしまってはもともこもありませんよね。

そこで、今回は、財産分与を受け取る側する側にわけて、かかる税金の種類や節税対策について解説します。

この記事を読んでわかること

  • 財産分与を受ける側にかかる税金、節税対策がわかる
  • 財産分与をする側にかかる税金、節税対策がわかる

 

財産分与を受ける側と税金

財産分与を受ける側にかかる税金は次のとおりです。

☑ 贈与税

☑ 不動産取得税

☑ 登録免許税

☑ 固定資産税

 

以下、いかなるケースではかからず、いかなるケースではかかるのかしっかり確認しましょう。

財産分与を金銭で受け取る場合

この場合、贈与税がかかりそうですが、原則としてかかりません

そもそも、贈与は、相手が自分の意思であなたに無償で財産を与えるという行為です。

この贈与行為に基づき財産を受け取ったのであれば贈与税がかかります。

ただ、財産分与は相手の意思は関係ありません。

財産分与は、婚姻後に夫婦で協力して築いた財産(共有財産)を清算するために、当然に必要とされる行為です。

このように、贈与と財産分与は行為の性質がまったく異なりますから、財産分与として金銭を受け取っても、贈与税は原則としてかからないということになるのです。

 

もっとも、例外として、次のケースでは贈与税がかかる可能性があります。

  • 税務署に税金(贈与税、相続税)のがれのための偽装離婚とみなされた場合
  • 常識を超えた高額な金銭を受け取った場合                 

 

たとえば、婚姻中に家の名義(所有権)を夫から妻へ移すと、贈与税と後記の不動産取得税がかかってしまいます。

そこで、本当は離婚する意思はないのに離婚届を提出して離婚したことに見せかけ、財産分与として家の名義を夫から妻へ移すのです。

ただ、税務署の調査によって、共同生活の実態があって偽装離婚であることが判明した場合は、贈与された全体の額に対して贈与税と不動産取得税がかかるのです。

次に、いくらからが常識を超えたといえるのかは、夫婦の共有財産の額や離婚に至る経緯などによっても変わるため一概に申し上げることはできません。

ただ、たとえば、1000万円の共有財産を夫婦で半分ずつ分ける必要があるのに、900万円という共有財産の大部分を受け取った場合は贈与税がかかることがあります。

この場合は常識の範囲から逸脱した金額に贈与税がかかります

財産分与を不動産で受け取ったとき

妻が子供の親権を取得して子供を養育していく必要などから、離婚後も現在の家に住み続けることを選択する場合があります(※)。

この場合は、前述した贈与税がかかる例外的ケースにあたる場合には贈与税がかかる可能性があります。

 

また、妻は夫から家を受け取っているため、不動産取得税がかかりそうです。

ただ、妻が、夫婦の共有財産である家を通常の財産分与として受け取ったにすぎない場合は、不動産取得税はかかりません

なぜなら、妻はもともと家という共有財産を清算する過程で手に入れたにすぎないと考えられるからです。

この財産分与を清算的財産分与といいます。清算的財産分与の場合、不動産取得税はかかりません

 

一方で、財産分与には清算的財産分与のほかに扶養的財産分与慰謝料的財産分与があります。

そして、扶養的財産分与または慰謝料的財産分与によって不動産を受け取った場合は不動産取得税がかかる可能性があります

扶養的財産分与とは、経済力のない一方当事者の離婚後の生活を援助する意味合いでなされる財産分与のことです。

慰謝料的財産分与とは、不貞やDVなどで生じた精神的苦痛を慰謝する意味合いでなされる財産分与です。

両者の財産分与とも共有財産の清算という趣旨で行われるものではないことから不動産取得税がかかるというわけです。

 

そのほか、不動産を登記する際にかかる登録免許税、不動産を所有する場合にかかる固定資産税(市街化区域内なら都市計画税も)が毎年かかります。

※妻が夫あるいは夫婦共有名義の不動産を取得する場合は、住宅ローンをどうするのか、住宅ローンの名義はどうするのかなどの問題をクリアする必要があります。

財産分与を受ける側と節税対策

前述のとおり、財産分与で税金が発生する場合があるとしても、発生しないよう事前の対策を取ることは可能です。

そこで以下では贈与税と不動産取得税にわけて、それぞれの節税対策について解説します。

贈与税について

贈与税については、偽装離婚と疑わるような行為はしない、常識を超えた金額を受け取らないことが対策の一つといえます。

そのほか、財産分与で居住用不動産を受け取る予定で、評価額が過大となりそうな場合(財産分与しても贈与税がかかりそうな場合)は、贈与税の基礎控除と配偶者控除を活用する手もあります。

☑ 基礎控除

➡ 110万円(1年間)までが非課税

☑ 居住不動産の配偶者控除

➡ 婚姻期間が20年以上の夫婦が居住用不動産を贈与した場合、基礎控除との併用で2110万円まで非課税

 

控除の適用を受けるには、離婚成立日(離婚届が受理される日)までに贈与を受け贈与を受けた翌年の申告期限内に税務署に贈与税の申告手続きを行う必要があります。

離婚成立日までに贈与を受けたかどうかは、贈与契約書や登記事項証明書などの書類で証明することが可能です。

不動産取得税について

前述のとおり、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与によって不動産(家・土地)を受け取った場合は不動産取得税がかかります。

もっとも、一定の要件を満たせば、新築住宅、中古住宅とも税の軽減措置を受けることがでます。

軽減措置を受けるには、不動産がある都道府県税事務所に対して申請する必要があります。

詳細は都道府県税事務所にお尋ねください。

 

財産分与をする側の税金と節税対策

ここまでは財産分与を受ける側にかかる税金と節税対策について解説しました。

最後に、財産分与する側の税金と節税対策について解説します。

 

まず、財産分与を金銭で行う場合、税金はかかりません

財産分与する側にかかる税金は譲渡取得税(所得税、復興特別所得税、住民税)です。

譲渡取得税は不動産、株などの資産を譲渡した場合にかかる税金です。

譲渡所得税は長期譲渡取得税と短期譲渡取得税があります。

長期譲渡取得税は、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超える資産にかかる税です。

短期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下の資産にかかる税です。

長期譲渡所得税と短期譲渡所得税とでかかる税率が異なります。

 

譲渡所得税の節税対策としては資産を現金化することです。

前述のとおり、お金には税金はかかりません。

その他、不動産を財産分与する場合は3000万円の特別控除(マイホーム特例)居住用不動産の軽減税率を活用する手もあります。

 

まとめ

 

【財産分与を受ける側】

  • 財産分与を金銭で受け取る場合は、原則、贈与税はかからない
  • 扶養的財産分与、慰謝料的財産分与で不動産を受け取る場合は、不動産取得税、登録免許税、固定資産税がかかる
  • 不動産を受け取る場合の贈与税は基礎控除、配偶者控除で節税対策
  • 不動産取得税は軽減措置で節税対策

【財産分与する側】

  • 財産分与を金銭でする場合、税金はかからない
  • 不動産などの資産を譲渡する場合は譲渡取得税がかかる
  • 譲渡取得税は特別控除、軽減税率で節税対策