再婚したら養育費は免除・減額される?もらう側、払う側にわけて解説

離婚とお金
■ 私が再婚したら養育費は免除・減額されるの?
■ 相手が再婚したら養育費は免除・減額されるの?
■ 免除・減額する方法は?

この記事は上記のような疑問・お悩みにお応えする内容になっています。

離婚後は、当初想定していなかった事態が様々起こり得ます。自分の再婚、相手の再婚もそのうちの一つではないでしょうか?

ただ、再婚は自分(相手)が扶養する人が一人増えることを意味するため、自分(相手)が再婚したら養育費は免除・減額されるのか?と疑問をもたれる方も多いと思います。

そこで今回は、養育費を受け取る側(権利者)と支払う側(義務者)が再婚した場合にわけて、再婚したら養育費は免除・減額されるのか解説したいと思います。

養育費とは

養育費とは、親の「未成熟子」に対する扶養義務に基づき負担しなければいけない費用のことです。

未成熟子とは経済的に自ら独立して自己の生活費を獲得すべき時期の前段階にあって、いまだ社会的に独立人として期待されていない年齢にある子をいいます。必ずしも「未成年者(現在は「20歳未満の者」。2020年(令和4年)4月1日からは「18歳未満の者」)」とイコールではありません。

法律上の親と子の関係が続く限り、親は子供に対して扶養義務を負う、すなわち養育費を負担する義務を負います。離婚前か後か、一緒に暮らしているか、離れて暮らしているかは関係ありません。

また、前述のとおり、親は子供が社会的に独立できると認められるまで養育費を負担します。そのため、子供が成人した後も、子供がまだ社会的に独立できていないと認められる段階(たとえば、大学進学中など)にあっては、権利者(養育費を請求できる親)は子供のために義務者(養育費を支払う親)に対して養育費を請求することができます。

再婚したら養育費は免除・減額される?

では、権利者、あるいは義務者が離婚後に再婚した場合、養育費は影響を受けるのか?受けるとしてどのような影響を受けるのでしょうか?以下では、権利者が再婚した場合と、義務者が再婚した場合とにわけてみていきましょう。

権利者が再婚した場合

権利者が再婚しても、義務者と子供との親子関係は継続しています。すなわち、義務者は依然として子供に対して扶養義務を負い、養育費を負担しなければなりません。権利者の再婚が、養育費の支払い免除・減額の理由にはなりません

一方、権利者の再婚相手と子供が養子縁組をした場合は、再婚相手が子供の養親・親権者として権利者とともに子供に対する扶養義務を負います。また、義務者も子供に対して扶養義務を負っていますが、この場合はまず、再婚相手が子供に対する第一次的な扶養義務を負い、義務者の扶養義務は第二次的なものとなると判断した裁判例(長﨑家審昭和51年9月30日)があります。そのため、権利者の再婚相手と子供が養子縁組をした場合は、養育費を減額(または免除)する理由となる可能性があります

義務者が再婚した場合

義務者が再婚した場合でも、義務者と子供との親子関係は継続していますから、養育費を負担しなければなりません。ただ、再婚相手が何らかの事情(失業、病気、怪我など)で働けないという場合は、義務者にとって扶養する者が増えたことになりますから、養育費を減額する理由となる可能性があります

また、義務者が再婚相手の連れ子と養子縁組をした、義務者と再婚相手との間に子供をもうけた場合は、義務者はこれらの子供にも扶養義務を負うことになります。この場合は、義務者の金銭的な負担が増えることも多く、養育費を減額する理由になりえます。もっとも、権利者の再婚相手が子供と養子縁組していない限り、義務者が子供に対して第一次的な扶養義務を負うと考えられますから、養育費の免除までは認めがたいと考えられます

※お互いの再婚をどうやって知る?
前述のとおり、再婚は養育費を免除・減額する理由になりえますから、お互いの再婚をどうやって知るかもポイントとなります。この点、離婚後もお互いのプライベートなことを含めて連絡を取り合っているという場合はよいのですが、そうしたケースは稀でしょう。ただ、面会交流を実施している場合は、子供を通じてお互いの事情を何となくですが把握できることもあります。本来面会交流は子供のためにあるもので、お互いの事情を探るために活用されるべきではありませんが、面会交流は親同士の交流を絶やさないためにもある(結果、子供のためにもなる)という点は忘れずにしておきたいですね。

養育費の減額・免除を求める方法

養育費の減額・免除を求めるなら、まずは権利者に話し合いをもちかけ、裏付けとなる資料を準備するなどして事情を丁寧に説明しましょう。また、話し合いをスムーズに進めるためにも、普段から連絡を取り合っていた方が望ましいです。

間違っても、一方的に養育費を減額したり、支払いを止めてはいけません。前回の養育費の取り決めの際に、強制執行認諾入りの公正証書を作っている場合や調停で取り決めを行った場合などは、財産(特に給与)を差し押さえられる手続きを取られる可能性があります。

話し合いがまとまった(減額要求に応じてくれた)場合は、公正証書を作ることになると思いますが、そこは応じた方が無難です。

一方、そもそも話し合いができない、話し合いはできるものの話がまとまらない場合は養育費減額調停を申し立ててください。調停では、調停委員が権利者・義務者の間に入って話をまとめていきます。

参照:養育費(請求・増額・減額等)調停の申立て | さいたま家庭裁判所

この記事の執筆者
小吹 淳

行政書士、夫婦問題(離婚)カウンセラー | 大学卒業後、官庁勤務(約13年)→法律事務所勤務(約4年)を経て現在に至ります | 現在「離婚協議書、離婚公正証書の作成&サポート」、「夫婦問題・離婚カウンセリング
」業務を中心とする行政書士事務所開業に向けて準備中です | 本サイトでは離婚で役立つ情報をわかりやすく解説しています | 二児の父親 | 趣味はサッカー観戦と旅行

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