離婚後の手続き③~社会保険、年金、子供の医療費助成、ひとり親助成など

離婚後の手続き・生活設計

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離婚後の手続きには大きく

 

  • 姓と住所を変更する手続き
  • 子供に関する手続き
  • 社会保険の変更・加入に関する手続き

 

があります。

このうち「姓と住所を変更する手続き」については離婚後の手続き①で、「子供に関する手続き」については離婚後の手続き②で解説しました。

今回は、最後の社会保険(※)の変更・加入に関する手続きや医療費の助成制度について解説したいと思います。

 

この記事を読んでわかること

  • 社会保険の離脱、加入の仕方がわかる
  • 医療費助成制度の概要、手続きがわかる 

 

※社会保険

医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の総称。

 

手続き前に確認しておくべき事項

まず、手続きに入る前に、現在のご自分の状況について確認しておきましょう。それによって、今後取るべき手続きが異なります。

公的医療保険について

公的医療保険は健康保険、共済保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険にわかれます。

日本では国民皆保険制度がとられており、国民の誰もがいずれかの保険に加入することが義務付けられています

まずは配偶者又はご自分がどの保険に加入しているか確認しましょう。

 

加入対象者保険者
健康保険大企業の社員健康保険組合(健保、組合健保)
中小企業の会社員全国健康保険協会(協会けんぽ)
共済保険公務員共済組合
国民健康保険自営業者、無職市区町村
後期高齢者医療保険75歳以上の人後期高齢者医療広域連合

年金保険について

年金については被保険者の種別(第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者か)を確認しましょう。

 

被保険者の種別対象者
第1号被保険者20歳以上60歳未満の自営業者、無職者 など
第2号被保険者会社員、公務員
第3号被保険者第2号被保険者に扶養されている配偶者

 

公的医療保険に関する手続き

では、ここからは具体的な手続きについて解説していきます。公的医療保険については、次のケースを前提に話を進めていきます。

  • 配偶者が会社員で扶養に入っている場合
  • 配偶者を世帯主とする国民健康保険に入っている場合  

 

配偶者が会社員であなたが扶養に入っている場合

この場合は、まず配偶者が、会社を通じて、あなた(及び子供)を健康保険の被扶養者から外す(資格喪失)手続きを取ります

手続き後は、健康保険が

 

  • 健康保険組合の場合 ➡ 各健康保険組合
  • 協会けんぽの場合  ➡ 日本年金機構

 

から「資格喪失証明書」が発行されます。

以下の手続きを行うには、この資格喪失証明書を入手しておく必要があります。

資格喪失証明書は直接配偶者から、あるいは会社を通じて受け取ります。

ただ、配偶者が手続きを取らない場合は、そもそも資格喪失証明書が発行されず受け取ることができません

この点については後記の「資格喪失証明書を入手するまでの壁と対策」で詳しく解説します。

離婚後は会社員として働く場合

就職先の会社で必要な手続きを取ります。

手続きの詳細は会社の担当者に尋ねるとよいでしょう。

離婚後は親などの扶養・世帯に入る場合

離婚後、就職せず、会社員の親の扶養に入る、あるいは自営業者の親の世帯に入る場合です。

前者の場合は、親に「資格喪失証明書」を渡し、親の健康保険の扶養に入る手続きを取ってもらいましょう。

後者の場合、親は健康保険ではなく国民健康保険に加入しています。親の国民健康保険に加入する場合は、本人又は世帯主である親が役所で手続きを行う必要があります。

なお、国民健康保険は健康保険と異なり「扶養」という制度がありません

そのため、国民健康保険料の納付義務者は世帯主である親ですが、あなたの分の保険料も発生します。

【必要なもの】

☑ 資格喪失証明書

☑ 窓口に行く人の身分証明書(新しい姓・住所のもの)

☑ マイナンバーがわかるもの

(マイナンバーカード、住民票の写し)

☑ 印鑑

【期限】

資格喪失日から14日以内

 

上記以外の場合

離婚後、自営業者として働く場合、あるいはしばらく就職する予定はないが、親などの扶養などにも入るつもりがない場合です。

この場合は、あなたを「世帯主」とする国民健康保険に加入する手続きを取る必要があります。

同一市区町村内に住み続ける場合は現在の役所で、異なる市区町村に引っ越す場合は引っ越し先の役所で加入の手続きを取りましょう。

必要なものは前述のとおりです。

期限は前者の場合「世帯主変更日から14日以内」、後者に場合「転入日から14日以内」です。

配偶者を世帯主とする国民健康保険に加入している場合

この場合も、次の3つのケースで手続きが異なります。

離婚後は会社員として働く

この場合は、まず、就職先の会社で健康保険に加入する手続きを取ります。

そして、会社から健康保険証の交付を受けてから、役所で国民健康保険の脱退の手続きを取ります。

【必要なもの】

☑ 健康保険証

☑ 国民健康保険証

☑ 印鑑

【期限】

健康保険に加入した日から14日以内

 

離婚後は親などの扶養・世帯に入る場合

世帯主である配偶者が、役所で国民健康保険の資格喪失の手続きを行い、配偶者から資格喪失証明書を受け取ります

親が会社員の場合は、親に「資格喪失証明書」を渡し、親の健康保険の扶養に入る手続きを取ってもらいましょう。

親が自営業者などで国民健康保険に加入している場合は、あなた又は世帯主である親が役所で手続きを行う必要があります。

【必要なもの】

☑ 資格喪失証明書

☑ 世帯主のマイナンバーがわかるもの

(マイナンバーカード、住民票の写しなど)

☑ 身分証明書(新しい姓・住所のもの)

☑ 印鑑

 

上記以外の場合

同一市区町村内に住み続ける場合は、現在の役所であなたを「世帯主」とする変更手続きを行います。

【必要なもの】

 国民健康保険証

☑ 世帯主のマイナンバーがわかるもの

(マイナンバーカード、住民票の写しなど)

☑ 身分証明書(姓・住所変更後のもの)

☑ 印鑑

【期限】

世帯主変更日から14日以内

 

異なる市区町村へ引っ越す場合は引っ越し前の役所で転出届を行った後、担当の窓口で国民健康保険の資格喪失の手続きを行います。

【必要なもの】

☑ 国民健康保険証

☑ 印鑑

 

引っ越し後は、引っ越し先の役所で転入届を行います。その後、担当の窓口で、国民健康保険に加入する手続きを行います。

【必要なもの】

 身分証明書

☑ 転出証明書

(前の役所で転出届を行った際に発行してもらえます)

☑ 印鑑

【期限】

転入日から14日以内

 

資格喪失証明書を入手するまでの壁と対策

壁とは、配偶者が資格喪失の手続きを取ってくれない可能性があるということです。

その原因としては、まず、配偶者が単に手続きを忘れている、というケースが考えられます。

ただ、これに対しては、あらかじめ配偶者に対して手続きをとるよう伝えておくとよいでしょう。

他方で、

 

  • 配偶者が会社に離婚することを隠したいと考えているケース
  • 配偶者のDVやモラハラを理由に離婚するケース
  • 離婚をめぐる対立から、配偶者があえて手続きを取っていないケース  

 

では、手続きが取られない可能性が高いです。

あなた自身が手続きを代行することができませんから、上記の場合は、

 

  • 弁護士などの第三者を通じて配偶者に働きかけてもらう
  • あなた自身が直接会社の担当者に連絡して手続きを取ってもらう  

 

ことが必要となってきます。

なお、会社は、被扶養者でなくなった日から5日以内に保険者に対して手続きを取る必要があります(健康保険法施行規則24条1項)。

上記でも解決できない場合は、一度、役所の担当者に相談してみるとよいでしょう。

 

子供の健康保険について

配偶者が会社員で子供がいる場合は、子供も配偶者の扶養に入っています。

ここで注意しなければならないのは、離婚後、あなたが子供の親権を持つこととなっても、自動的に配偶者の扶養から外れるわけではないという点です。

この場合、やはり、配偶者に子供を健康保険の被扶養者から外す(資格喪失)手続きを取ってもらう必要があります。

ただ、親権と健康保険上の扶養は別です。

すなわち、配偶者が子供(子供の親権を持つあなた)に養育費を支払うなど扶養の実態が認められる場合は、配偶者の扶養に入れたままにすることも可能です。

この場合、被保険者名に元配偶者の氏名が記載された健康保険証をもつことになります。

また、子供の姓を変更した場合は、あらためて元配偶者に健康保険証上の姓の変更手続きをとってもらう必要があります。

 

年金に関する手続き

年金については、あなたが以下のいずれかによって手続きが異なります。

 

  • 第1号被保険者
  • 第2号被保険者
  • 第3号被保険者  

 

以下で詳しく解説します。

第1号被保険者の場合

第1号被保険者の場合は、次の2つのケースにわかれます。

  • 離婚後は会社員として働く場合
  • 離婚後も第1号被保険者のまま場合  

 

離婚後は会社員としては働く場合

手続きは不要です。

就職先の会社で厚生年金に加入する手続きを取ります。その後、会社から年金事務所に加入の連絡がいきます。その時点で、国民年金からは脱退します。

離婚後も第1号被保険者のままの場合

離婚後に姓が変わる場合は、現在の役所又は引っ越し先の役所で姓の変更手続きが必要です。

第2号被保険者の場合

離婚後に姓が変わる場合は、勤務先で姓の変更手続きが必要です。

第3号被保険者の場合

第3号被保険者の場合も、次の2つのケースにわかれます。

 

  • 離婚後は会社員として働く場合
  • 離婚後も就職しない場合     

 

いずれの場合も、配偶者が、会社を通じて、あなたを扶養から外す(資格喪失)手続きが必要となります。

離婚後は会社員として働く場合

配偶者が上記の手続きを取った後、就職先の会社で厚生年金への加入手続きを取ります。

離婚後も就職しない場合

お住いの役所で国民年金に加入する、すなわち第1号被保険者となる手続きを取ります。

【必要なもの】

☑ 資格喪失証明書

☑ 身分証明書

☑ 年金手帳

【期限】

資格喪失の日から14日以内 

 

 

子供の医療費助成制度に関する手続き

子供の医療費助成制度(自治体によって呼び名は異なります)はお子さんをお持ちの方ならばご存知かと思います。

中学3年までの子供にかかる医療費をお住いの自治体が助成してくれる制度です。

制度の内容は各自治体によって異なりますが、子供にかかる医療費の負担が減る制度であることは間違いありません。

子供の医療費助成制度についても、離婚によって

  • 住所を変更する場合
  • 社会保険の種類が変わった場合
  • 姓・氏名が変わった場合    

 

は手続きが必要です。

忘れずに手続きしておきましょう。

 

ひとり親家庭等医療費助成制度に関する手続き

ひとり親家庭等医療費助成制度は、離婚によって母子(父子)家庭などにかかる医療費をお住いの自治体が助成してくれる制度のことです。

助成の内容は各自治体によって異なりますので、役所の担当者に直接問い合わせるかホームページで確認するなどして内容をよく把握しておきましょう。

【必要なもの】

☑ 申請書(役所のホームページからダウンロード可)

☑ 助成を受ける方(親、子供など)の健康保険証

☑ 児童扶養手当証書

 

なお、ひとり親家庭等医療費助成制度の特徴(メリット・デメリット)をあげると以下のとおりとなります。

【メリット】

  • 子供だけではなく親などの養育者の医療費も助成される
  • 子供が18歳に達した年度の3月31日までの医療費を助成してくれる

 

【デメリット】

  • 子供の医療費助成制度に比べて要件が厳格

➡ 所得制限がある など

  • 助成を受けるための手続きが面倒

➡ 窓口でいったん通常の医療費(3割負担)を支払い、後日、役所に申請書(領主証を添付)を提出する必要がある(助成金は後日、口座振込み)

 

子供の医療費助成制度との併用はできません

 

まとめ

医療や年金に関する手続きは、あなたやお子さんの健康・将来を守るためにも必要な手続きです。

ただ、ご存知のとおり、保険料は決して安い金額とはいえません。

今まで配偶者の扶養に入っていて保険料を負担する必要がなかった方にとっては、離婚後、急に家計が苦しくなることも考えられます。

国民健康保険や国民年金には保険料の減免制度がありますから、一度検討してみましょう。