【離婚準備リスト付き】離婚を切り出す前にやっておくべき4つのこと

divorce_rist離婚の準備
■ 離婚を検討しているけど何をどうはじめていいかわからない
■ 離婚後も不安なく生活できるようきちんと準備したい
■ 離婚で損しない、後悔しない、生活苦にならないためにはどうしたらいい?
この記事では上記のような疑問やお悩みにお応えする内容になっています。
離婚は、多くの人にとって一度、経験するかしないかの出来事。そのため、いざ「離婚」という二文字が頭に浮かんだ場合、何から準備すればよいのか何をどう進めていけばよいのかわからない、という方も多いと思います。
そこで、この記事では、離婚に向けて準備すべきことについて一から丁寧に解説していきます。始めからから一つ一つチェックしながら準備を進めていけば、きっと後悔しない離婚になるものと確信しています。
ぜひ最後までお読みいただき参考にしてみてくださいね。

離婚のメリット・デメリットを知ろう

まずは、離婚のメリット・デメリットを知ることからはじめましょう。
今は何となく「離婚したい」とお思いかもしれませんが、曖昧な気持ちのまま何となく離婚しまうと大きな落とし穴にはまってしまう可能性があります。あらかじめ離婚のメリット、デメリットを把握しておくことで、適切な対処をとることができ、後悔のない離婚後の生活につなげることができます。

次にセルフチェックを!

 

次に、離婚のメリット・デメリットを踏まえて「離婚のセルフチェック」をしてみましょう。

次の項目を順にチェックしていき、「YES」が圧倒的に多く「やっぱり離婚しかない」と離婚を確信できるようであれば離婚の準備にとりかかってもよいでしょう。

一方、「NO」の数が圧倒的に多い、「NO」の数が多い、「YES」の数が多いが「NO」との差が小さい、という場合は、まだ離婚に不安を感じているのかもしれません。その場合は、いったん離婚の準備に進むのを踏みとどまった方がよさそうです。

□ 離婚理由(原因)は明確ですか?(YES・NO)
□ 離婚すると、二度と相手と会えなくなるかもしれませんが、それでも後悔しませんか?(YES・NO)
(「YES」の場合はその理由)

□ 離婚後はどんな生活を送りたいか、明確なビジョンをもっていますか?(YES・NO)

(「YES」の場合その具体的内容)

■ (今現在、夫(妻)の収入に頼っている場合)

□ 自分一人の力で稼いでいく自信はありますか?(YES・NO)
□ 現時点で、就職や資格取得、スキルアップのために活動していますか?(YES・NO)
□ 家賃、水道光熱費、税金などの支払いを滞りなく行えますか?(YES・NO)
□ 一人で家事・育児をこなしていく自信はありますか?(YES・NO)

□ これまで夫(妻)がやってきたことを自分でやっていく自信はありますか?(YES・NO)
□ 地震や大雨などの災害時でも冷静に対処できますか?(YES・NO)
□ 親族、友人、職場の同僚・上司、近所の人から後ろ指さされるようなことがあっても、動じずに生活していけるような強い心をもてますか?(YES・NO)
□ 周囲に相談できる人、支えてくれる人はいますか?(YES・NO)
□ 自分の心の支えとなるものはありますか?(YES・NO)
□ 離婚について子供にきちんと説明できますか?(YES・NO)

離婚の準備しておくべき4つのこと

 

セルフチェックを経て離婚を確信できたら離婚の準備にとりかかりましょう。離婚の準備は大きく次の4つに分類できます。

① 離婚理由に関する準備
② お金に関する準備
③ 子どもに関する準備
④ 離婚後の生活に関する準備

①離婚理由に関する準備

離婚理由に関して準備は次の2つです。

■ 離婚理由を明確にする
■ 離婚理由に関する証拠を集める

離婚理由を明確にする

セルフチェックの冒頭でもお尋ねしたように、まずはなぜ相手と離婚したいのか、離婚理由を明確にすることです。そして、その理由のせいでどのような不都合が生じたのか(被害・迷惑を被ったのか、辛い想いをしてきたのか)を考えます

離婚を切り出す際は、まずこの2点を相手に伝えることからはじめます。また、離婚理由が曖昧なままだと、準備を進めている最中に「やっぱり離婚はやめた方がいいのかな」と気持ちに迷いが生じ、離婚に向けて前向きに準備を進めることができません。

離婚準備はある意味、自分との闘いでもあります。まずは、ご自分の中「私は離婚するのだ」という意思を確固たるものにするためにも、離婚理由を明確にすることからはじめてみてください。

 

離婚理由に関する証拠を集める

離婚理由は明確にもっていた方がいいですが、離婚理由が明確でなければ離婚できないかと問われれば、その答えは「NO」です(離婚できます)。つまり、お互いが離婚に合意さえすれば、離婚理由がなんであろうと離婚はできるのです。

ただ、離婚理由を明確にしなければ離婚できない場合があります。それが裁判で離婚する場合です。裁判で離婚する場合は、相手が離婚に合意していない(離婚を拒否している)ことが前提となりますから、離婚を請求するあなたが、以下にあげる裁判上の離婚理由を証拠により証明しなければいけないのです。

離婚の大部分が協議または調停で解決することがほとんどで、裁判までもつれ込むことは稀ですが、万が一、裁判までもつれ込んだ場合に備えて離婚理由を証明する証拠を集めておく必要があるのです。また、証拠は慰謝料を請求する場合にも強力な武器となってくれますから、その意味でも集めておく意義はあるといえますね。

【裁判上の離婚理由】
① 不貞行為
② 悪意の遺棄
③ 3年以上の生死不明
④ 重度の精神病、回復の見込みがない
⑤ 婚姻を継続し難い重大な事由
※DV、モラハラ、セックスレス、性格の不一致、価値観の違い など

【不貞行為の証拠】
■下記の「関連記事」をご参照ください
【悪意の遺棄の証拠】
●同居義務違反の証拠
■ 別居したことがわかる住民票
■ 別居している家の賃貸借契約書
■ 別居の経緯を記した日記、メモ
■ 同居を拒否したことがわかるメール、録音データ
■ 一方的に家出したことがわかるメール、録音データ など
●扶助義務違反の証拠
■ 源泉徴収票(※相手が会社勤めの場合)
■ 給料明細書
■ 預金通帳
■ 浪費がわかるクレジットカードの利用明細・領収書
■ ギャンブルにふけっていることがわかる写真、動画 など
●協力義務違反の証拠
■ 家事・育児放棄が分かる写真、動画
■ 生活状況を記録した日記、メモ など
【3年以上生死不明の証拠】
■ 消印つきの手紙
■ 最後に交わした電話の通話履歴、メールの送受信履歴
■ 捜索願受理証明書(警察が発行) など
【性格の不一致の証拠】
■ 
普段からつけている日記
■ 
ケンカの際の写真、動画、録音データ

■ 手紙、メール
■ 第三者の証言 など
【DV、モラハラの証拠】
■ 診断書
■ 日記、メモ
■ 負傷部位やDVの状況を撮影した動画、写真
■ 音声を記録した録音データ
■ 相談先(警察など)が記録した相談記録 など

㊟実際に証拠として使えるかどうかについては内容をよく吟味してから判断しなければいけません。お困りの場合は弁護士に相談してください。

関連記事

 

②お金に関する準備

お金に関しては「収入に関する準備」と「支出に関する準備」にわけられます。

収入に関しては、子どもの有無に関係なく「①財産分与」と「②慰謝料」を、子どもがいる場合は「③養育費」について準備しておかなければいけません(別居を検討している場合はさらに「婚姻費用」について準備する必要がありますが、これについては後述します)。

一方、支出に関しては、そもそも専門家(弁護士、不貞を離婚理由とする場合は探偵)に依頼するかどうかを検討する必要があります。そして、仮に依頼するとした場合「④弁護士費用」、「⑤探偵(調査)費用」を、その他、公正証書を作成する場合の「⑥公正証書作成費用」、裁判にもつれこんだ際の「⑦裁判費用」がどの程度かかるのか、おおまかな目安だけでも知っておく必要があります。

①財産分与

財産分与とは婚姻後に築いた財産(共有財産)を夫婦で分け合うことです。まずは、共有財産とは何か、どんな共有財産をもっているのか把握し、共有財産を裏付ける証拠を集めておく必要があります。

②慰謝料

不貞、DV、悪意の遺棄、セックスレスなどで慰謝料請求を検討している場合は相場や条件を把握し、不貞等を裏付ける証拠を集めておく必要があります(離婚理由で紹介した「関連記事」もご参照ください)。

 

③養育費

養育費は子どもの養育にかかる費用のことで、離婚後に受け取ります。子どもが複数いる場合は、子どもごとに養育費の「支払い始期・終期」、「支払い金額」などを細かく決めておく必要があります。

 

④弁護士費用

弁護士に対応を依頼する場合は弁護士費用を負担する必要があります。実際の金額は依頼する内容や依頼する弁護士(事務所)によっても異なります。相手とトラブルとなる可能性が高い場合は、はやめに相談した方が時間や費用の短縮にもつながります。費用を払えない場合は法テラスを活用する手もあります。

なお、弁護士費用は自己負担です。相手に非があるからといって、相手に弁護士費用の全額を支払わせることはできません(できるとしても、全体の1割程度)。

 

⑤探偵(調査)費用

前述のとおり、不貞(不倫、浮気)を理由に離婚する場合は不貞に関する証拠を集めておきましょう。ただ、個人で集めるには限界がありますから、限界を感じた場合は無理をせずに探偵に調査を依頼しましょう。探偵に依頼した場合は探偵(調査)費用がかかります。

 

⑥公正証書費用

公正証書は公証役場に勤める公証人に依頼して作成する公的文書です。話し合い(協議)で養育費をはじめとするお金について合意した場合は公正証書(正確には「強制執行認諾付き公正証書」)を作成することをおすすめしますが、作成するには費用がかかります。

 

⑦裁判費用

裁判費用は正確には「訴訟費用」といい、弁護士費用とは別の費用である点に注意が必要です。訴訟費用の内訳は次のとおりです。

■ 手数料(手数料分の収入印紙を訴状に貼付します)
■ 郵便切手代
■ 証人の旅費、日当費、宿泊費
■ 裁判記録の謄写費用  など

弁護士費用と異なり相手に負担させることもできます(ただし、訴訟を提起する際に提出する訴状にその旨を記載しておく必要があります。原告(訴えた側)敗訴等の場合は負担させることができない場合もあります)。

もっとも、手数料、郵便切手代、謄写費用についてははじめ原告(訴えた側)が立て替え、判決後に、判決で言い渡された負担割合を被告に請求する形となります。判決ではなく和解で解決した場合は、通常、被告に訴訟費用の負担は求めません。

参考:訴訟費用について | 裁判所

③子どもに関する準備

子どもに関する準備は、次の4つです(養育費については省略します)。

■ 親権に関する準備
■ 養育費に関する準備(生活費、教育費等の試算)
■ 子どもの姓・戸籍、転入園・転入学・預け先の準備
■ 各種手当、支援の確認

親権に関する準備

親権においては母親が有利ですから、妻は子どもと離れて暮らさない(子どもと離れて暮らして相手に監護実績を作らせない)ことが最も大切となります。一方、夫は子どもと離れて暮らさないことはもちろん、より積極的に監護実績を作ること、離婚後の子どもの養育環境を整えることが求められます。

 

子どもの姓・戸籍、転入園・転入学・預け先の準備

婚姻時に旧姓から現姓に変えた方(主に妻)が、離婚後も子どもの親権をもち、現姓から旧姓に戻ることを選択したからといって、子供の姓が現姓から変わるわけではありません。また、子供の戸籍も元のままです。子供の戸籍を自分の戸籍に入れたい場合は、まずは子供の姓を変更する必要があります。子供の姓を変更するには、家庭裁判所に申立てを行って許可を得る必要があります。手続きなどを調べておきましょう。

また、子供の転入園、転入学の手続きや流れについても把握しておく必要があります。また、離婚後は自分で働いて収入を得ていく必要がありますから、保育園・幼稚園、学校が終わった後の預け先についても調べておく必要があります。

 

各種手当、支援の確認

離婚後に必ず必要となる手当が「児童手当」、「児童扶養手当」です。離婚後に住む自治体のホームページなどで必要となる手続きや受給額を調べておきましょう(※1)。そのほか、就職支援に関する各種制度・給付金(※2)、ひとり親世帯に向けた各自治体独自の制度などもしっかり調べておきましょう。

※1 児童手当は、離婚前でも、別居し、かつ、別居先の市区町村役場に離婚に向けた話し合いを証明する書類(離婚協議を申し入れた内容証明郵便、調停期日呼出状の写しなど)を提出することで受給できるようになります。児童扶養手当は、離婚前は受給できないのが基本ですが、相手が生活費を入れない、親がDVを受けている場合は受給できる場合があります。

④離婚後の生活に関する準備

離婚後の生活に関する準備は次の3つです。

■ 離婚後の収入・支出の見込み額を計算
■ 就職・転職の準備
■ 離婚後の住まいの確保

離婚後の収入・支出の見込み額を計算

離婚後にまず困るのは経済的な面といっても過言ではありません。そのため、離婚前から、見込み額でかまいませんから離婚後の収入・支出を把握しておくことが極めて重要です。家計収支表(←クリック)を作りましたから、よろしければ書式をダウンロードし、収入については現時点の、支出については離婚後の金額を記入してみましょう。

収入は、働いている方は給与(手取り額)をベースとします。そのほか、児童手当、児童扶養手当も収入に加算してください。養育費、慰謝料、財産分与など相手から受け取るお金については、未払いのリスクもありますから貯蓄にまわすくらいの余裕があった方がいいです。

計算してみて収入が支出を大幅に上回るようであれば、経済的な面では離婚後の生活も不安なく送れるといえますね。

就職、転職のための準備をすること

一方、収入が支出を下回るなど、経済的な面で離婚後の生活に不安を抱えるようであれば、就職・転職などを検討しなければいけません。一度就職、転職してもすぐに辞めてしまっては意味がありませんから、どの職に就職・転職するかは給与のほか、自分の適性や職種・職場との相性なども考慮して判断する必要があります。

いきなり就職・転職するのが難しい場合は、まずはパート・アルバイトからはじめて正社員を目指す方法もあります。また、まずはスキルアップ、就職・転職のための資格取得からはじめてもよいでしょうし、パート・アルバイトをしながらスキルアップ、資格取得を目指すのも選択肢の一つです。

いずれの選択をするにせよ時間がかかることですから、はやめはやめに行動し、可能であれば離婚前に就職・転職(あるいはそのための準備)を整えておくのが理想です。

離婚後の住まいを探しておくこと

離婚(あるいは別居)を契機に家を出ていく予定の場合は、離婚後の住まいを探す必要があります。子どもがいない場合は家賃が一番の悩みのためとなると思いますが、子どもがいる場合は子どもの生活のことも考えて住まいを考えなければいけません。

費用や手続きの面で最も負担が少ないのが「実家」です。子どもがいる場合は同時に預け先の確保もできて、子育てしながら働きやすい環境が作れます。親が高齢などの理由から、経済的・精神的に長期間にわたり援助してもらうことが難しい場合は期間を定めて住むことなども検討しましょう。

実家以外には「民間の賃貸アパート」を借りる方法もありますが、無職だと借りることが難しいですので、その意味でも離婚前に就職しておくことは重要といえます。また、貸主からは保証人をつけるよう求められることが多いですから、親などの保証人を探しておくことも必要です(適当な保証人がいない場合は、保証会社にお金を払って保証人になってくれる制度もあります。確認してみましょう)。

そのほか、ひとり親を積極的に受け入れる「シェアハウス」や「公営住宅」などもあります。公営住宅は自治体が運営しており、各自治体によって入居条件が異なりますので、ご検討中の場合は事前に自治体に問い合わせてみることをおすすめします。

別居する際も準備が必要

離婚前に別居を検討する方もおられると思いますが、別居する際も離婚と同様に入念な準備が必要です。おおまかな準備項目は離婚と同様ですが、別居独自に気を付けなければならない項目(たとえば「婚姻費用」など)もあります。詳細は以下の記事で詳しく解説しています。

 

繰り返しになりますが、後悔のない離婚をするには、離婚前の準備がとても大切です。早く今の現状から脱したいというお気持ちはわかりますが、離婚後の人生が長いという方が大半でしょう。その長い人生を後悔なく生きるためには、離婚前の入念な事前準備が必要不可欠です。ひとつずつ着実に進めていってくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の執筆者
小吹 淳

こぶき行政書士事務所 行政書士 小吹 淳
HP :https://rikon-gyouseishoshi.com/

離婚協議書、離婚公正証書をはじめとする家族(夫婦)間契約書を中心に作成する行政書士です。書面作成、その他面談等ご希望の方は、本サイトの「お問い合わせ」又は上記HPの「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

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