離婚の慰謝料を「口約束」した場合の効力は?公正証書の作成方法もご紹介

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あなたは今、

不倫・浮気した配偶者に慰謝料請求したい

とお考えではありませんか?しかし、その前に少し待ってください!

離婚の慰謝料を請求するのはよいですが、口約束だけで終わらせてしまうと後で「そんな約束した?」などと言われて約束をなかったことにされてしまうかもしれませんよ!

こうならないためにも、離婚の慰謝料を請求する際は公正証書を作成して、合意した内容を「形」に残しておくことが大切です。

この記事ではの後半では公正証書の作成方法についても簡単にご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

 

離婚慰謝料とは

離婚の慰謝料とは、配偶者や浮気(不倫)相手の不貞行為などによって、あなたが受けた精神的苦痛に対する賠償金のことをいいます。

離婚の慰謝料には、

☑ 離婚原因慰謝料

☑ 離婚自体慰謝料  

の2種類があります。

離婚原因慰謝料とは、不貞行為(不倫・浮気)やDVなどの離婚原因そのものから生じた精神的苦痛に対する賠償金です。

一方で、離婚自体慰謝料とは、離婚原因を理由として離婚したことによって生じた精神的苦痛に対する賠償金です。離婚慰謝料という場合は、この離婚自体慰謝料のことを指していることが多いです。

なお、実務上は離婚原因慰謝料と離婚自体慰謝料は明確に区別されているわけではありません。

ただ、判例(最高裁判所平成31年2月19日)は、特段の事情がない限り、浮気相手に対する離婚自体慰謝料の請求を認めていません

そのため、配偶者に請求できる慰謝料が離婚自体慰謝料、配偶者と浮気相手の両方に請求できるのが離婚原因慰謝料と理解しておけばよいです。

以下では、話を簡単にするため、離婚自体慰謝料のことを離婚慰謝料といいます

離婚慰謝料の口約束でも効力「あり」

配偶者に対して離婚慰謝料を請求することができるのは、その前提として、配偶者に離婚慰謝料を請求するだけの根拠(契約)が存在しているからです。

しかし、離婚慰謝料の場合、この契約は「口約束」、つまり、あなたと配偶者との意思表示の合致だけで有効に成立します。

この当事者の意思表示の合致だけで有効に成立する契約を、難しい言葉で「諾成・不要式の契約」といいます。

たとえば、あなたが配偶者に「離婚慰謝料を払って。」と言い、これに対して配偶者が「払うよ。」と言った場合はお互いの意思の合致がみられます。

そのため、その時点で契約が有効に成立し、あなたは配偶者に対して「離婚慰謝料を払って」と請求できるようになるのです。

なお、配偶者から離婚慰謝料を払うことの合意を取り付けるには、そもそも配偶者が不貞(※)などの不法行為を認めることが大前提となります。

もっとも、配偶者がそう簡単に自分の非を認めるとは考えられません。

そのため、配偶者に自分の非を認めさせるためにも、離婚慰謝料を請求する前に不貞などの不法行為を裏付ける証拠を集めておくことが極めて重要となります。

不貞の証拠については以下の記事で詳しく解説していますので、詳しくお知りになりたい方はぜひチェックしてみてくださいね。

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離婚慰謝料を口約束してはいけない理由

前述のとおり、離婚慰謝料(の契約)は口約束でも有効です。

しかし、口約束は人の記憶を頼りにする契約といえますが、人の記憶というものはときの経過とともに徐々に薄れていくものです。

そのため、たとえ離婚慰謝料につき配偶者と口約束しても、ときの経過とともに記憶が薄れ、「そんな約束をした覚えはない。」などと口約束を反故(なかったこと)にされてしまう可能性が極めて高いです。

また、本来、口約束は相手を信頼できるからこそ実現可能なもの。

しかし、離婚慰謝料の場合は、相手がこれから離婚する人です。

あなたの配偶者への信頼はないといっても過言ではなく、口約束できる前提にはないといわざるをえません。

離婚慰謝料を請求する際は公正証書を作成しよう

では、配偶者に離婚慰謝料を支払わせるためにはどうすればいいかですが、それは公正証書を作成することです。

そして、公正証書の中でも強制執行認諾付き公正証書を作成しましょう。

強制執行認諾付き公正証書とは、要するに、公正証書の中に「慰謝料を支払わなかった場合は、自分の財産を差し押さえる手続きとってもよいです」という配偶者の合意内容を盛り込んだ書面のことです。

この公正証書を作成しておくと、仮に将来、離婚慰謝料が未払いとなった場合でも、裁判を経ずに(元)配偶者の財産(給料など)を差し押さえる手続きが可能となります。

また、配偶者もそのことを承知の上で公正証書を作成しますから、配偶者から任意に離婚慰謝料を支払ってもらえるというメリットがあります。

なお、離婚にあたって、離婚慰謝料以外の養育費、財産分与などの金銭的な合意をした場合でも、同様の理由から、公正証書の作成をお勧めします。

公正証書は法務大臣から任命された公務員である公証人という人が作成します。公正証書を作成するには手数料などの費用がかかります。

公正証書の作成手順や費用などについては以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければ参考にしてくださいね。

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口約束しか応じない場合

強制執行認諾付き公正証書を作成するには配偶者の同意が必要です。

もし、配偶者が同意しない場合は家庭裁判所に対して調停を申し立てます

離婚前離婚調停(正式には「夫婦関係調整調停(離婚)」)を申し立て、その手続きの中で慰謝料についても話し合うことができます。

また、離婚後も配偶者に離婚慰謝料を請求することができますが、話し合いができない場合は慰謝料請求調停を申し立てます。

なお、離婚調停で離婚慰謝料につき合意している場合や清算条項につき合意している場合は、離婚後、慰謝料請求調停を申し立てることは難しくなる点に注意が必要です。

調停が成立すると「調停調書」という書類が作成されます。

この書類は、前述した強制執行認諾付き公正証書と同様の効力、すなわち、裁判を経なくても財産の差し押さえ手続きが可能となる効力が付与されています。

配偶者が離婚の慰謝料に関する話し合いに応じない場合や公正証書の作成に応じない場合は、まずは、家庭裁判所に対して調停を申し立てることを伝えることが効果的です。

「裁判沙汰にしたくない」と考える方も多く、話し合いや公正証書の作成に応じる配偶者も多いでしょう。

それでも応じないとうい場合は、調停を申し立てるほかありません。

 

離婚慰謝料を支払わない場合の対処法

それでは最後に、離婚慰謝料の支払いについて合意したものの、配偶者が支払わない場合の対処法について解説します。

主な対処法は

☑ 内容証明郵便を利用する

☑ 法的措置と取る

 

です。

内容証明郵便を利用する

万が一、口約束で終わらせてしまったという場合は内容証明郵便を使って配偶者に書面で慰謝料を請求します。

内容証明郵便とは、いつ、どんな内容の文書が、誰から誰宛てに郵送されたかということを郵便局側が証明してくれる郵便制度です。

もちろん、内容証明郵便を使わずとも配偶者に離婚慰謝料を請求することは可能です。しかし、それでは配偶者に無視・放置される可能性が高いです。

他方で、内容証明郵便を使うと書面は必ず手渡しで渡されます

その際、配偶者から受け取りのサインをもらうため、配偶者が「そんな文書は受け取っていない」という言い逃れができなくなります。

内容証明郵便自体には強制力はありません。

ただ、多くの人が普段、内容証明郵便を使う機会は多くないと思いますし、書面の見た目や内容からして、配偶者に心理的なプレッシャーを与えることができます

弁護士に書面の作成を依頼した場合は弁護士名義で作成することが可能から、より強い効果が期待できるでしょう。

法的措置を取る

 

☑ 内容証明郵便を送っても相手方が慰謝料を支払わない場合

☑ 強制執行認諾付き公正証書を作成しても慰謝料を支払わない場合

 

は法的措置を取ります。

ここでいう法的措置とは

① 家庭裁判所に対して調停を申し立てる

② 訴訟を提起する

③ 家庭裁判所に履行勧告、履行命令を出してもらう

④ 相手方の財産を押しさえる(強制執行)

 

の4つです。①から④の手順に手続きを踏んでいきます。

公正証書を作成していない場合は①から手順を踏む必要がありますが、作成している場合はいきなり④から手続きを取ることが可能です。

いずれの手続きも専門的な知識が必要となりので、まずは弁護士に相談・依頼した方がよいです。

 

まとめ

離婚の慰謝料を請求する場合は、相手と話し合って、強制執行認諾付き公正証書を作成しておくと安心です。

相手が話し合いに応じない場合は調停を申し立てること、約束したにもかかわらず慰謝料を支払わない場合は内容証明郵便を送るなどの措置を検討する必要があります。

 

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