離婚の慰謝料を口約束した場合の効力は?公正証書の作り方もご紹介

rikon-isharyou-kuchiyakusoku離婚とお金
離婚するにあたって夫(妻)に慰謝料請求したいけど、
■ これからどうすればいいの?
■ 口約束で終わらせてはいけないの?
■ 書面は作るべきなの?

この記事では上記のような疑問、悩みにお応えします。

離婚するにあたって相手が慰謝料を支払うことに合意したとしても、口約束だけで終わらせてしまうと後で簡単に反故にされてしまう(なかったものにされてしまう)可能性があります

そこで、この記事では相手に離婚慰謝料を請求するにあたっての注意点や取っておくべき対策について解説していきたいと思います。

離婚慰謝料とは

まず、そもそも離婚慰謝料とは何かについて解説したいと思います。

離婚慰謝料とは相手の何らかの不法な行為によってあなたが受けた精神的苦痛(苦しい、悔しいなどという想い、気持ち)を慰めるためのお金(賠償金)のことです。この離婚慰謝料には離婚原因慰謝料と離婚自体慰謝料の2種類があります。

離婚原因慰謝料とは不貞・DV・モラハラなどの離婚原因から受ける精神的苦痛に対する賠償金です。一方、離婚自体慰謝料とは離婚することによって受ける精神的苦痛に対する賠償金です。なお、離婚を機に慰謝料請求する場合は慰謝料は、後者の離婚自体慰謝料のことを指していることが多いです。

離婚原因慰謝料と離婚自体慰謝料の大きな違いは時効の起算点です。すなわち、離婚原因慰謝料は「あなたが相手の不法行為(不貞等)を知ったとき」から3年ですが、離婚自体慰謝料は「離婚が成立した日」から3年です。

離婚慰謝料を請求するための条件、相場

離婚慰謝料を請求するには以下の条件をすべてクリアする必要があります(※1)。また、離婚慰謝料の相場は「0~300万円」と幅があります。具体的な金額は、婚姻期間、離婚前の生活上状況、相手の不法行為の回数・期間などによって異なってきます。

【離婚慰謝料を請求するための条件】
① 相手が
裁判上の離婚理由にあたることをしたこと
② ①によって精神的苦痛を受けたこと
③ ①、②を証拠により証明できること(※1)
④ 相手の不法行為時、婚姻関係が破綻したとはいえなかったこと
⑤ 時効が完成していないこと

裁判上の離婚理由とは、たとえば、不貞、悪意の遺棄(※2)、DV・モラハラなどをあげることができます。一方、性格の不一致は裁判上の離婚理由にはあたりません。離婚するからといって、必ずしも離婚慰謝料を請求できる権利が発生するわけではない点に注意が必要です。

※1 相手が慰謝料の支払義務を認めるのであれば③(証拠)までは必要ありませんが、相手に支払義務を認めさせるため、あるいは万が一裁判までもつれ込んだ場合の武器として証拠が必要です。
※2
家に帰らない、生活費を渡さない、生活費をギャンブルや趣味に費やす、など
 

離婚慰謝料の口約束でも効力「あり」

あなたが相手に離婚慰謝料の支払いを求めることと、相手が離婚慰謝料の支払義務を認めることは一種の契約です。そして、物の貸し借りと同様、契約である以上、口約束でも有効に契約は成立し(諾成、不要式の契約)、あなたは相手に対して離婚慰謝料を請求できます。

もっとも、それは相手が離婚慰謝料の支払義務を認めれば、の話です。相手が支払義務を認めない場合は契約は成立せず、相手に離婚慰謝料を請求することもできません。繰り返しになりますが、相手に離婚慰謝料の支払義務を認めさせる意味でも事前の証拠集めは必須といえます

 

離婚慰謝料を口約束してはいけない理由

前述のとおり、離婚慰謝料の契約は口約束でも有効です。ただ、口約束は人の記憶を頼りにするものであるところ、人の記憶というものはときの経過とともに徐々に薄れていくものです。

そのため、たとえ離婚慰謝料につき配偶者と口約束しても、ときの経過とともに記憶が薄れ、「そんな約束をした覚えはない。」などと口約束を反故(なかったこと)にされてしまう可能性が極めて高いです。

また、本来、口約束は相手を信頼できるからこそ実現可能なものといえます。ただ、離婚慰謝料の場合、相手はこれから離婚する人です。あなたの相手との信頼度はかなり低いものとなっているでしょうから、そんな相手との約束を口約束だけで済ませてよいはずがありません。

離婚慰謝料を請求する際は公正証書を作成しよう

では、相手に確実に約束を守らせるためにはどうすればいいかですが、それは離婚公正証書を作成することです。そして、離婚公正証書の中でも強制執行認諾付き公正証書を作成することが効果的です。

強制執行認諾付き公正証書とは、公正証書の中に「慰謝料等のお金を支払わなかった場合は、自分の財産を差し押さえる手続きとってもよいです」という相手の認諾文言を盛り込んだ離婚公正証書です。

この離婚公正証書を作成しておくと、仮に相手が離婚慰謝料が支払わない場合でも、通常の手続きに比べて容易に相手の財産(主に給料)を差し押さえることが可能となります。また、相手もそのことを承知の上で公正証書にサインしますから、相手から任意に離婚慰謝料を支払ってもらえる可能性が飛躍的に高まります。

なお、離婚にあたって話し合うべきお金のことは慰謝料だけではありません。財産分与、お子さんがいる場合の養育費など慰謝料以外にも話し合うべきことがあります。財産分与、養育費で合意できた場合も公正証書を作っておくことをおすすめします。

離婚公正証書を作るには、離婚公正証書を作ることと離婚公正証書に強制執行認諾文言を盛り込むことの合意が必要です。

 

離婚でお金のことを取り決めた際は口約束だけに終わらせず、必ず書面に残すようにしましょう。中でも離婚公正証書は有効です。離婚公正証書の作り方がわからない場合は行政書士でもお手伝いさせていただくことが可能です。お困りの方はお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。