離婚方法の種類 | 協議、調停、裁判のメリット・デメリットとは?

離婚の基礎知識
離婚を考えているけど
■ 今から何を、どう進めていけばいいの?

■ どんな方法で離婚できるの?

この記事では上記のような疑問、悩みにお応えする内容となっています。

多くの方にとって離婚は初めての経験でしょう。そのため、どんな方法で離婚できるのか、どのような手順を踏んでいけばいいのか分からないという方も多いと思います。そこで、この記事では、離婚までの大まかな流れや離婚の方法、各離婚のメリット・デメリットについて解説したいと思います。

まずは、離婚までの大まかな流れをつかんでいただき、今後の参考にしていただけると幸いです。

離婚までのステップ

離婚までの基本的なステップは次のとおりです。

① 離婚(別居)の準備

② 話し合い

まず、離婚までには綿密な準備が必要です(ただし、DV、モラハラ、児童虐待を受けている場合は準備よりも身の安全を確保することを優先してください)(①)。準備不足のまま離婚すると、離婚後の生活に苦労する、相手とのトラブルに発展することにもつながりかねません。

離婚の準備が整ったら相手に話し合いを切り出します(②)。相手との話し合いで離婚と離婚条件(※)について合意できれば、後述する「協議離婚」で離婚します。一方、そもそも話し合いができない、話し合っても話がまとまらない、という場合は「調停」、「審判」、「裁判」による離婚を目指します。

※親権、養育費、財産分与、慰謝料、婚姻費用、面会交流、年金分割 など

 

離婚の方法

 

離婚の方法は協議離婚、調停離婚、審判離婚、和解離婚、認諾離婚、判決離婚(和解から判決までを裁判離婚といいます)の6つです。

③ 離婚と離婚条件→合意→協議離婚

不合意

④ 離婚調停を申立て(※調停前置主義)

調停→成立→調停離婚
↓    →審判離婚
不成立

⑤ 離婚裁判を提起
・ 和解離婚
・ 認諾離婚
・ 判決離婚

以下、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説したいと思います。

協議離婚

協議離婚は夫婦同士の話し合いによって離婚を成立させる方法です(③)。弁護士を通じて話し合っても、後述する調停や裁判のように裁判所を通じた離婚でない限り、やはり協議離婚です。日本では、離婚する夫婦の約8~9割がこの協議離婚を選択しています

協議離婚のメリットは、お互いが離婚と離婚条件に合意さえすれば費用と手間をかけずに離婚できる点です。離婚理由も問われず、離婚届にサインして役所に提出し、受理されれば離婚は成立します。

一方、デメリットは、離婚条件について話がまとまらず、曖昧な形のまま離婚してしまい、離婚後にトラブルに発展してしまう可能性がある点です。また、お互いが歩み寄りの姿勢を見せないといつまで経っても離婚できず、離婚までに時間がかかる点もデメリットといえるでしょう。

協議離婚を成立させるためには、前述のようにしっかりとした事前準備が必要です。その上で、相手に話し合いを切り出し、譲歩できる点は譲歩することが協議離婚を成立させるコツといえます(※)。

話がまとまったら離婚公正証書、離婚協議書の作成を
話がまとまったら、後で「言った言わない」のトラブルに発展するのを予防するため、その内容を書面に残しておくことが大切です。養育費、財産分与をはじめとするお金の取り決めをした場合は離婚公正証書を作成しましょう。お金の取り決めをしない場合でも離婚協議書は作成した方が安心です。

 

調停離婚

そもそも夫婦同士で話し合いができない、話がまとまらない場合は、家庭裁判所に対して調停を申立てます(④)。後述する離婚訴訟を提起するには、基本的にこの調停手続きを経なければなりません。これを「調停前置主義」と言います。

調停離婚も話し合いで離婚する点では協議離婚と同じです。ただ、夫婦の間に裁判所が入る点が協議離婚と大きく異なります。具体的には調停委員が夫婦それぞれから話を聞き、話を取りまとめていきます。

調停離婚のメリットは、裁判所という第三者が間に入ることで感情的な対立を抑え、冷静に話し合いを進めることができる点です。相手と顔を合わせていいように配慮してもらえますから、精神的な負担も軽減できます。離婚条件についても漏れなく話し合うことができます。

一方、デメリットは、申立てを行うために書類を作成したり、裁判所に足を運んだりと手間がかかる点です。また、1か月や2か月で調停が成立することは稀で、話し合いの内容などによっては1年以上かかることもあります。自分で手続きを進めることも可能ですが、難しい場合は弁護士に依頼することも検討しなければいけません。

調停に代わる審判
調停に代わる審判による離婚のことを「審判離婚」といいます。調停に代わる審判とは、離婚条件について些細な食い違いがあるなどの理由から調停が成立しない場合において、夫婦の合意ではなく、裁判所の判断で離婚と離婚条件について決めてしまう手続のことです。もっとも、夫婦に審判が告知された日から2週間以内に、夫婦のどちらか一方が異議を申し立てた場合、審判の効力は失われます。審判離婚による離婚の数は非常に少ないのが現状です。

裁判離婚

裁判離婚は、家庭裁判所に離婚裁判を提起し、手続きを通じて離婚と離婚条件を決めて離婚する方法です(⑤)。裁判離婚といっても、和解で離婚する和解離婚、被告が訴状に書かれたことを全面的に認める認諾離婚、判決による判決離婚(狭義の裁判離婚)の3つに分類されます。

裁判で一定の手続きを経ると裁判所から和解勧告を受けます。原告、被告の双方が和解勧告を受け入れた場合は和解が成立します。離婚裁判を提起した夫婦の約4割が和解勧告を受け入れています。一方、和解勧告を受け入れない場合は判決で請求を認めるか、認めないか(棄却するか)、認める場合には離婚条件が示されます。

裁判離婚のメリットは、相手の意思にかかわりなく離婚を請求できる点です。一方、裁判上の離婚理由(※)を証拠で証明できなければ裁判を提起できません。また、事前準備として証拠を集めたり、法的な書類を作って裁判所に提出する必要があるほか、裁判となれば厳格なルールにしたがって手続きを進めていかなければいけません。そのため、一般の方が進めることは難しく弁護士に任せるほかありませんが、そうすると高額な弁護士費用がかかります。離婚が成立するまでにも1年~2年ほどかかることが多いです。

裁判上の離婚理由
「不貞」、「悪意の遺棄」、「配偶者の3年以上の生死不明」、「配偶者の強度の精神病、かつ、回復の見込みがない」、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」の5つ

 

離婚の方法と離婚成立日

離婚成立日は離婚の方法によって異なります。離婚成立日は離婚届の「離婚の種別」欄に記入する必要があります。離婚届は協議離婚のみならず、その他の離婚方法によっても提出する必要があります。調停、和解、認諾離婚の場合は成立日を含めた日から10日以内、審判、判決離婚の場合は確定日を含めた日から10日以内が期限です(期限を経過すると役所から「届出期間経過通知書」の提出を求められたり、場合によっては「5万円以下の過料」を科されることがあります)。

 

 

今回の内容は以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の執筆者
小吹 淳

こぶき行政書士事務所 行政書士 小吹 淳
HP :https://rikon-gyouseishoshi.com/

離婚協議書、離婚公正証書をはじめとする家族(夫婦)間契約書を中心に作成する行政書士です。書面作成、その他面談等ご希望の方は、本サイトの「お問い合わせ」又は上記HPの「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

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