離婚の方法は4つ!協議、調停、審判、裁判離婚について解説

離婚の基礎知識

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離婚の方法といえば、夫婦間での話し合い(協議)を経た上での離婚、すなわち「協議離婚」を真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?それは、日本で離婚する夫婦の約90%が協議離婚を選択しており、協議離婚が広く認知されているからとも考えられます。

もっとも、離婚の方法はこの協議離婚のほかに調停離婚審判離婚裁判離婚の合計4種類があります。

今回は、最も活用される協議離婚について解説した上で、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の概要についても解説します。

どんな方法で離婚できるのか概要を知りたい!という方はぜひ最後までお読みいただければきっと役に立つと思います。

この記事を読んでわかること

  • 離婚の方法の種類がわかる
  • 協議離婚の概要、メリット、注意点がわかる
  • 協議離婚で作成すべき公正証書の概要がわかる
  • 協議離婚以外の離婚の方法、概要がわかる

 

離婚の方法は協議、調停、審判、裁判の4つ

冒頭でも述べましたとおり、離婚の方法には

  • 協議離婚   
  • 調停離婚
  • 審判離婚
  • 裁判離婚

 

の4種類があります。

もっとも、この中から好きな方法を選択して離婚できる、というわけではありません

まずは、協議離婚を試みて、それでも話がまとまらなければ調停(場合によっては審判)、そして、それでも話がまとまらない場合にはじめて裁判と、上から下へと順に進めていく必要があるのです。

協議離婚は話し合いによる離婚

協議離婚は、離婚するかどうか、離婚するとしてどういった条件で離婚するかを、基本的には直接夫婦同士で話し合い、お互いが譲歩しないながら合意することによって離婚する方法です(民法763条)。

(協議上の離婚)

第七百六十三条

夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。

先ほど、離婚はまず夫婦の協議(話し合い)から進めなければならないという話をしました。

夫婦のことは夫婦にしか分からないこともあり、かつ、夫婦でしか決めることもできないため、離婚については夫婦同士の話し合いによって解決するのが最も合理的で、裁判所などの第三者が夫婦の問題に介入するのはあくまで例外、という考え方に基づいているのです。

協議離婚のメリット

協議離婚の一番のメリットは夫婦の合意だけで離婚できる、という点です。

すなわち、夫婦の一方が他方に対して「離婚しよう。」と言い、他方が「いいよ。離婚しよう。」と言い、あとは離婚届に必要事項を記入し、必要書類とともに市区町村役場に提出して受理されれば協議離婚は成立です(子どもがいる場合は、最低限、親権者を決めておく必要があります)。

のちほど解説しますが、裁判離婚では法律で決められた離婚理由がなければ離婚することができません。しかも、離婚を希望する側が、相手に離婚理由が存在することを証拠により証明しなければならないという煩雑さがあります。

他方で、協議離婚の場合は、裁判離婚のような離婚理由など必要ありません。すなわち、どんな理由であれ、夫婦が離婚に合意さえすれば離婚できるのです。

それゆえ、離婚するにあたって取り決めるべき事項(親権者(子どもを持つ場合)、婚姻費用、養育費、慰謝料、財産分与、面会交流、年金分割など)について夫婦間で争いがない場合は、離婚までにそれほど時間をかけることなく手続きを進めることが可能といえます。

また、誰にも頼らず夫婦間で解決できた場合はほとんど費用が発生しません。唯一発生するとすれば、離婚届と一緒に提出する夫婦の戸籍謄本を取得する際の手数料ぐらいでしょうか。

協議離婚の注意点

前述のように、協議離婚のメリットを一言でいえば「シンプルさ」ということですが、そのシンプルさゆえに注意しなければならない点があります。

それは、

離婚の条件に関してきちんと取決めをしないまま、曖昧な形で離婚してしまう可能性がある

という点です。

それもそのはず、多くの方にとって離婚は人生に一度あるかないかの出来事ですから、離婚するといっても何を、どう話し合えばよいのか、どう手続きを進めればよいのかわからないという離婚に関する知識不足、情報不足というケースも多いです。

また、円満離婚の場合ならまだしも、通常は、相手と冷静に話し合いすらできないという状態となっている方も多いでしょう。

そして、こうした離婚に関する知識・情報不足や感情の対立などから、「離婚したい」という気持ちが先行して、ついつい「後のことはほったらかし」という状態のまま離婚する方も意外と多いのです。

しかし、これでは

  • 養育費を払ってもらえない
  • 慰謝料を払ってもらえない
  • 子どもと会わせてくれない

など、離婚後に様々なトラブルが発生し、ご自分の首を自分で絞める結果にもつながりかねません。

確かに、親権以外のことは離婚後も相手と話し合うことは可能です。

しかし、離婚後、離婚した相手とどれだけ冷静に話し合うことができるでしょうか?また、話が養育費、慰謝料、財産分与など金銭的な面に及べば、金銭的負担を強いられる側に、話し合いに消極的な立場をとられてしまう可能性が高いです。

そのため、大変ではありますが、可能な限り、離婚前にすべての離婚条件について取り決め、取り決めた内容を書面(強制執行認諾付き公正証書)に残しておくことが極めて大切となってくるのです。

協議離婚で作成すべき公正証書とは?

前述のとおり、夫婦で話し合った内容は書面に残すことが大切です。

もちろん、口約束でも有効ではありますが、それでは証人でも立てない限り、後でどんな取り決めをしたのか検証することが困難です。

そのため、書面を作成しなかった場合は、言った言わないのトラブルに発展する可能性が高いといえます。

ましてや離婚の場合、義務を履行する側の心情として「相手に協力したくない」という気持ちがどうしても働いてしまいます。

そして、たとえ相手に義務を実践するように要求しても、「取り決めた証拠はあるのか。」などと反論され、約束をなかったことにされてしまう可能性が高いです。

取り決めた内容を書面化するのをお勧めするのは、上記のような相手に反論に対して、「あのときこう取り決めた。」(だから)「取り決めどおりに義務を実践してね」と反論するためなのです。

ところで、離婚といえば離婚協議書をまず一番に思い浮かべる方も多いでしょう。

しかし、離婚協議書は単なる私文書であって、法的な強制力を伴うものではありません

これに対して、強制執行認諾付き公正証書は、もし相手が取り決めたとおりにお金を支払わなかった場合に相手の財産(主に給与)を差し押さえできる、という強制力を伴うものです。

強制力を伴うということは、より相手にプレッシャーをかけることができ、その分、相手がきちんと義務を実践してくれる可能性が高くなるということを意味しています。

同じ書面でも強制執行認諾付き公正証書の作成をお勧めするのはこのためです。

調停離婚は裁判所が関与する話し合いによる離婚

以上、協議離婚に関して詳しく解説してきましたが、ここからの話は本題の「離婚の方法」に戻しますね。

まずは、協議離婚が成立しなかった場合の調停離婚です。

調停離婚は、家庭裁判所(の調停委員、家庭裁判所調査官など)が夫婦の間に入って、離婚や離婚の条件について話を取りまとめて合意形成を図ることによって離婚する離婚の方法です。

いくら夫婦同士で話し合い(協議)をしてください、といっても、感情が激しく対立している、すでに婚姻関係が破綻しているなどという場合は、話し合いすらできないという場合もあるでしょう。また、話し合いはできたとしても、離婚するかしないか、離婚するとしていかなる条件で離婚するかについて話がまとまらず、決着がつかないという場合もあるでしょう。

調停離婚では、夫婦の間に調停委員などの第三者が間に入りますから、第三者の冷静な視点から助言・アドバイスを受けながら話し合いを進めることが可能です。また、基本的には、直接相手と顔を合わせて話をする必要がなく、心理的負担を軽減できることも調停離婚の大きなメリットといえます。

もっとも、調停は相手との合意形成を図る場ですから、相手が離婚に合意しない以上、離婚できません。離婚調停を申し立てたからといって、必ず離婚できるというのは大きな誤解です。また、調停は調停委員という第三者を挟む手続きですから、少しでも有利な結果を得るためにはその調停委員をいかに説得し、よい印象をもってもらうかもポイントとなります。

審判離婚は裁判官が一方的に離婚条件を決める離婚

次に、審判離婚調停離婚で話がまとまらなかった場合に、裁判官が離婚の条件を一方的に決めてしまう離婚の方法です。

調停で話がまとまらないといっていも、全部がまとまらないのか、残りわずかな部分のみまとまらないのか様々です。審判離婚は、後者の場合、つまり、夫婦間で離婚すること自体は合意しており、条件面の大部分についても合意できているものの、残りわずかな部分について合意ができていないがために離婚に至っていない、という場合に取られる手続きです。

調停とは異なり、裁判官が一方的に離婚の条件を決めてしまうのが特徴といえます。

もっとも、審判が夫婦に告知された日から2週間以内に、夫婦のどちらか一方が異議を申し立てた場合、審判の効力が失われてしまいます。このように審判離婚の効力は非常に弱いですから、審判離婚の方法を取る例は少ないのが現状です。

裁判離婚は公開の法廷で離婚や離婚条件を争って決める離婚

最後に、裁判離婚は、文字通り、裁判で離婚と離婚の条件を決めてしまう離婚の方法です。

離婚の裁判は、基本的に、調停手続き経てからでなければ提起することができません。これを調停前置主義といいます(家事事件手続法第257条1項)。

また、これまでの離婚の方法とは異なり、裁判離婚するには、次の1から5のいずれかの法律上の離婚理由が必要とされます。

1 不貞行為

2 悪意の遺棄

3 配偶者の3年以上の生死不明

4 配偶者の強度の精神病、かつ、回復の見込みがない

5 その他婚姻を継続し難い重大な事由

 

さらに、裁判ともなれば、相手が離婚に合意していないことが通常でしょうから、離婚を求める側が上記の1から5の事実を証拠により証明しなければなりません。

なお、裁判離婚といっても、和解で離婚する和解離婚、相手方が全面的に負けを認める認諾離婚、判決による判決離婚(狭義の裁判離婚)の3種類があります。

そして、裁判離婚のうち、約4割の夫婦が和解離婚を選択していると言われています。

これは、和解離婚は判決離婚に比べ、早期に裁判を終わらせることができることから当事者双方の負担の軽減につながるほか、相手が離婚や離婚の条件につき譲歩して合意しているわけですから、離婚後、養育費などをきちんと払ってもらえる可能性が高いこと、などが影響しているものと考えられます。

他方で、認諾離婚は、裁判離婚の争点に親権の問題が含まれていない場合のみ可能となるため、実例はそれほど多くはありません。

まとめ

離婚の方法には協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚があります。

離婚を決めたときには、まず話し合いによる協議離婚を試み、それで話がまとまらない場合は調停離婚(場合によっては、審判離婚)→裁判離婚という順に進んでいくということを覚えておきましょう。