面会交流調停の申立て方法や申立て後の流れ、調停の進め方を解説

離婚と子ども
■ 面会交流調停ってどんな調停?
■ 利用するためにやるべきことは?
■ どんな流れで進んでいくの?
■ 調停の進め方を知りたい

この記事は、上記のような疑問、悩みにお応えする内容となっています。

夫婦(離婚後は元夫婦)間で面会交流のルール等について話し合うことができない、話がまとまらないという場合に利用したい手続きが面会交流調停です。

面会交流調停は裁判所を活用する手続きですが、訴訟(いわゆる裁判)とは異なり、話し合いでの解決を目指す手続きです。もっとも、面会交流調停では、夫婦問題に関する豊富な知識経験をもった調停委員が夫婦の間に入って話をまとめていきますから、当事者同士で話し合うよりかは合意できる可能性は高くなるといえます。

今回は、この面会交流調停の利用手続き、進め方などについて詳しく解説したいと思います。なお、面会交流の概要や当事者同士での話し合いでの取り決め方などについては以下の記事で解説しています。

 

面会交流調停を検討すべきケース

冒頭でも触れましたが、面会交流調停を利用するか検討すべきなのは、相手と話し合いができない、話し合いはできても話がまとまらない、という場合です。

なお、相手との話し合いを飛ばしていきなり調停を利用することもできますが、それでは申し立てられた側に不快な想いを抱かせ、そもそも相手が調停に出席せず、調停でも解決できなくなる可能性を高めてしまいます。そのため、まずは相手との話し合いを試みて、それでも話がまとまりそうにない場合にはじめて調停を利用することを検討しましょう。

面会交流調停を利用できる時期

面会交流調停はいつでも利用可能です。別居時、別居後、離婚時、離婚後を問いません。また、一度、話し合いや調停で合意した内容を変更したい場合にも利用できます。

面会交流調停の申立て方法

面会交流調停を利用するには、家庭裁判所に対して面会交流調停の申し立てを行う必要があります。面会交流調停を申立て方法は以下のとおりです。

申立書等を準備する

家庭裁判所に対する申立ては、「面会交流調停申立書【書式】/【記載例】」のほか以下の書類等をそろえて家庭裁判所に提出する必要があります。書式や記載例をインタネット上に公開している裁判所もありますが、他の裁判所の書式を使う場合は、念のため、申立先の裁判所に使ってもよいかどうか確認しておくと安心です。

申立先の家庭裁判所は「相手の住所地を管轄する家庭裁判所」が基本です。管轄の裁判所はコチラから調べることができます。なお、相手と管轄裁判所についてあらかじめ合意している家庭裁判所がある場合は、その家庭裁判所に申し立てることができます。

【申立て時に必要なもの】
□ 面会交流調停申立書
【書式】/【記載例】※1 

□ 連絡先等の届出書
【書式】/【説明】 ※2
□ 事情説明書
【書式】
□ 進行に関する照会回答書
【書式】
□ 子供の戸籍謄本(全部事項証明書)
□ 収入印紙(1,200円分/子供1人)
□ 郵便切手(500円~600円程度
※家庭裁判所によって異なります
□ 非開示の希望に関する申出書
【書式】/【説明】
※1 裁判所提出用(原本)、ご自分用(コピー)、相手方用(コピー)の3部を用意する必要があります。つまり、申立書(コピー)は裁判所から相手方にも送付されますので、住所等相手方に秘匿したい情報がある場合は、記載内容に注意する必要があります。
※2 申立書以外の書類も相手方に見られたり、コピーされる可能性があります
※3 書類中に相手方に知られたくない情報がある場合は、当該部分をマスキングする、マスキングできない場合は「非開示の希望に関する申出書」に必要事項を記入し、該当書類を添付する必要があります。ただし、その措置をとったとしても裁判官の判断で、相手方に開示される可能性があります。

申立書等を提出する

申立書等を準備したら、家庭裁判所に申立書等を提出します。提出方法は、直接家庭裁判所に申立書等を持参して提出する方法家庭裁判所に申立書等を郵送する方法があります。お住いの住所から申立先の家庭裁判所までの距離等を考慮していずれかの方法を選択しましょう。

なお、直接持参した場合、軽微な不備であればその場で修正して提出することも可能です。可能であれば、直接持参して提出することをお勧めします。

面会交流調停の流れ

次に、家庭裁判所に申立書等を提出・受理され、調停手続きが開始された後の流れをみていきましょう。

【面会交流調停の流れ】

① 家庭裁判所と第1回目の調停期日を調整する【(申立書等)受理から1週間前後】

② 家庭裁判所から「調停期日通知書」が送られてくる【①から1週間前後】

③ 指定された日時(調停期日)に家庭裁判所へ行く【第1回調停期日は申立てから1か月前後】
※調停時間は1回につき2~3時間程度
※調停期日の回数は月1回のペースで進められ、④までに平均3~5回、期間は平均3~5か月、長くて1年以上

(家庭裁判所調査官による調査)→ 調停取り下げ → 調停終了

④ 調停委員から調停案が提示される

合 意 → 調停成立  → 調停調書作成
不合意 → 調停不成立 → 審判へ移行

①家庭裁判所と第1回目の調停期日を調整する

家庭裁判所に申立書等が受理された後、1週間前後で、家庭裁判所(担当書記官)から第1回目の調停期日(家庭裁判所で調停が開かれる日)の打診の連絡が入りますので、調整して、調停期日を決めます。

②家庭裁判所から「調停期日通知書」が送られてくる

第1回目の調停期日が決まると、家庭裁判所から調停期日などが記載された「調停期日通知書」が送付されてきますので受け取りましょう。同時に相手方にも申立書(写し)や調停期日通知書などの書類が送付されています。

③指定された日時(調停期日)に家庭裁判所へ行く

調停期日通知書に記載されている日時、場所に従って、家庭裁判所へ行きます。どうしても相手方と顔を合せたくない場合は、事前に裁判所に事情を申し出ておくことで配慮してもらえることもあります。

第1回目の調停期日(申立てからおおむね1か月前後)では、調停委員の自己紹介や調停の手続き、注意点等に関する説明を受けます。また、申立書等の書面に記載した事項についても聴かれます。その後、調停委員から次回期日(おおむね1か月後)までに検討しておくべき課題等が示されます。

当事者は次回期日までに課題を検討し期日に臨みます。2回目の期日からは、当事者それぞれが別々に調停委員から話を聴かれ、問題点を整理し、助言・アドバイスを受け、課題提示→次回期日までの検討→次回期日出席、という手順を繰り返して話をまとめていきます。

※家庭裁判所調査官の関与
調停では、裁判官と調停委員2名(通常、男女1名ずつ)で構成される調停委員会のほかに家庭裁判所調査官が手続きに関与することがあります。家庭裁判所調査官は心理学や社会学等の行動科学の専門家です。面会交流において家庭裁判所調査官は、調停期日への立会い、期日における意見陳述、当事者や子供の意向調査、関係機関への調査・調整、試行的面会交流の実施等の役割を担っています。
※試行的面会交流
試行的面会交流とは家庭裁判所内に設けられた児童室等の部屋で試験的に行われる面会交流です(回数は1回)。試行的面会交流は調停期日で行われる面会交流と期日外に家庭裁判所調査官のみが立ち会う面会交流があります。家庭裁判所調査官は実施結果を調査報告書にまとめて調停委員会に報告します。

④調停委員から調停案が示される

手続きを経て、面会交流を制限すべき特段の事情がないことがない場合は、面会交流を実施する方向で話が進められます。

最終的には調停委員から調停案が提示され、調停期日において読み上げられる調停条項(合意内容)について、当事者が合意すれば「調停成立」です。当事者が合意した場合は、調停調書(合意内容をまとめた書面)が作成され、その時点ではじめて正式に調停が成立したことになります。

一方、当事者が合意しない場合などは「調停不成立」として調停は終了します。調停が不成立となった場合は自動的に審判手続きに移行し、裁判官が面会交流の実施の有無、方法等について判断を示します。審判の内容は「審判書謄本」という書面で当事者に伝えられます。当事者は審判の内容に不服がある場合は、書面を受け取った日から14日間は不服(即時抗告)を申し立てることができます。当事者のいずれかが期間内に不服を申し立てた場合は審判の効力は失われ高等裁判所であらためて審理されます。

面会交流調停の進行上のポイント

面会交流調停を申し立てるとしても「初めてで不安」という方も多いと思います。そこで、以下では、面会交流調停を進める上でのポイントを、監護親(親権・監護権を持ち、子供と一緒に生活している親)と非監護親の共通及び監護親、非監護親ごとにわけてご紹介したいと思います。

共通

調停では、調停委員や家庭裁判所調査官の意見が最終的な結論に反映されますから、調停委員、調査官に悪い印象をもたれないことが大切です。普段と大幅に変える必要はありませんが、やはり相手も一人の人間ですから、見た目(服装、装飾品、持ち物、髪色・髪型、髭など)はもちろん、言葉遣い、態度には気をつける必要があります。また、期日の無断欠席や大幅な遅刻も絶対にやってはいけません。

監護親

監護親は、そもそも面会交流を認めるのか認めないのか、認めるとしてどこまでが許容範囲でどこからが許容範囲外なのか、認めないとしてその理由はなんなのか、調停で端的に説明できるように事前に考えをまとめておく必要があります。自分の考えをメモ書きしておくのも一つの方法です。

面会交流は非監護親の権利であると同時に子供の健全な成長のためでもあると考えられています。そのため、面会交流を制限すべき特段の事情がない限りは、面会交流自体は認め、条件面で調整を図っていく方がよいです。また、非監護親に自発的に養育費(離婚前であれば婚姻費用)を支払ってもらうためには面会交流を認めるのが有効です。

非監護親

監護親から面会交流を拒否される場合は、面会交流を拒否(制限)すべき特段の事情がないことを主張していきます。また、子供と良好な関係を築いていたことを裏付ける資料(動画データ、写真など)があれば、それらを提出して見てもらうのも一つの方法です。

調停で揉める可能性が高い場合は、前述した家庭裁判所調査官も間に入ることが多いです。こちらからの働きかけにもかかわらずなお拒否される場合は調査官とも連携しながら働きかけを行うことが必要です。また、場合によっては試行的面会交流を希望してみてもよいでしょう。

面会交流を拒否した場合のリスク

面会交流調停によって一度取り決めた事項は守らなければいけません。理由もなく拒否し続けると、以下の措置を取られる可能性もありますので注意しましょう。

■ 履行勧告:家庭裁判所が取り決め事項を守らない者に対して守るよう勧告する制度。強制力はありません。
■ 間接強制:取り決め事項を守らない者に対して一定の時期までに守るよう命令し、守らない場合は一定の金額の支払を命じる制度。心理的なプレッシャーをかけることで、面会交流を実現させることを目的としています。なお、面会交流では直接強制する(子供を無理矢理面会させる)ことは認められていません。
■ 親権者変更:監護親としての適格性に欠けるとして、家庭裁判所に親権者変更の申立てをされる可能性があります。
■ 慰謝料請求:面会交流を拒否し続けられたことで、子供と会えず精神的苦痛を被ったとして慰謝料請求される可能性があります。

 

 

今回の内容は以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。