面会交流は拒否できる?拒否できない理由、できる理由などを解説

離婚と子ども

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離婚まで様々な辛い、苦しい経験をしてきたのに、なんで相手に面会交流を認める必要があるの!?

今あなたはそうお考えではありませんか?

しかし、面会交流は非監護親(子どもと離れて暮らす親)の法律上の権利です。

正当な理由がないのに面会交流を一方的に拒否すると、のちのちトラブルになってかえって監護親(子どもと一緒に暮らす親)が不利益をこうむる、ということにもつながりかねません。

今回は、この面会交流と拒否について詳しく解説しますね。

この記事を読んでわかること

  • 面会交流は、原則、拒否できないことがわかる
  • 面会交流を拒否する理由にはならないものがわかる
  • 面会交流を拒否した場合に受けるリスクがわかる
  • 面会交流を拒否する理由になるものがわかる
  • 面会交流を拒否するために普段からやるべきことがわかる
  • 面会交流の負担を減らす方法がわかる          

 

面会交流は、原則、拒否できない

面会交流は、原則として拒否することはできません

非監護親となる相手から離婚に向けた話し合いで「離婚後も面会交流をしたい」という申し入れがあった場合には、面会交流させる方向で具体的なやり方につき話し合う必要があります。

離婚時に面会交流の取り決めを行っておらず、離婚後に非監護親から「子どもと面会交流したい」という申出があった場合も同様です。

また、一度、面会交流について取り決めた以上、取り決めた条件にしたがって面会交流させる必要があります。

事情の変化によって取り決めた条件が現状に合わなくなってきた場合は、再度、非監護親と話し合って現状に合う条件を取り決めるのが基本です。

 

面会交流を原則拒否できない理由は、面会交流が非監護親の権利であると同時に子供のためでもあるからです。

すなわち、子どもからすれば非監護親も監護親と同様に「親」であることにかわりありません。

そして、子どもは面会交流を通じて監護親のみならず非監護親からも愛情を受けているという安心感と充足感を得ることができ、そのことが子どもの自己肯定感を育み、子どもの健全な成長へとつながると考えられているのです。

なお、6歳半の娘を連れて別居した妻に対して面会交流調停を申し立てた夫に面会交流を認めた裁判所(東京高等裁判所 平成25年7月3日)は次のように述べています。

「子は、同居していない親との面会交流が円滑に実施されることにより、どちらの親からも愛されているという安心感を得ることができる。したがって、夫婦の不和による別居に伴う子の喪失感やこれによる不安的な心理状態を回復させ、健全な成長を図るために、未成年者の福祉を害する等面会交流を制限すべき特段の事情がない限り面会交流を実施していくのが相当である。」

 

面会交流を拒否する理由にはならないもの

前述の裁判例のとおり、裁判所は「子どもの福祉を害するなど面会交流を制限すべき特段の事情」がある場合は面会交流を拒否できると考えているようです。

そして、これを逆手にとると、面会交流を制限すべき特段の事情がない場合は面会交流を拒否できないようです。

以下では、「面会交流を制限すべき特段の事情がない場合」を具体的にみていくことにしましょう。

相手を信じることができない、怖い

相手への不信や恐怖心は

  • 面会交流時に子どもを連れ去られるのではないか
  • (相手に現住所を秘密にしている場合)子どもから現住所を聞き出し、現住所を把握されてしまうのではないか
  • 面会時に相手と会うことができない 

などという不安から起こり得るものです。

しかし、子どもの連れ去りや現住所の聞き出しについては面会時に第三者を同行させる(第三者機関による「付き添い型援助」を利用する)ことによって解消できます。

その他、第三者機関による「受け渡しが型援助」を利用すればでは、第三者機関があなたの代わりに子どもの受け渡しを行いますから、面会時に相手と顔を合わす必要がなくなります。

第三者機関の「付き添い型援助」、「受け渡し型援助」って何?と思った方は、以下の記事を読んでいただければ内容がわかると思いますので、よろしければ読んでみてくださいね。

関連記事:面会交流の第三者機関とは?種類、利用すべきケース、利用手順などを解説

子供が面会交流に消極的、拒否している

具体的には、

  • 子どもが面会交流を嫌がっている
  • 子どもが相手と会いたくないといっている 

などという場合です。

しかし、子どもの心情は複雑です。

子どもは監護親と非監護親の葛藤にさらされたくないという気持ちから面会交流に消極的になっているだけかもしれません。

あるいは、非監護親と離れて暮らし「捨てられた」と感じている子どもは、監護親から見捨てられまいと監護親の意見に同調しているだけかもしれません。

しかし、監護親の意見に同調するという傾向は面会交流の場面だけに限らず、その他の場面でもしばしばみられるようになります

そして、子どもが成長してから、それまで監護親に対して抑え込んできた気落ちが「反発・反抗」という形で一気に問題が表面化する可能性があります。

こうしたことを踏まえると、子どもが非監護親と会いたくないといっている場合でも、その言葉だけをうのみにせず、まずは子どもとしっかり向き合い、子どもの本心を確かめることが監護親としての義務といえます。

また、子どもの本心をつかめない、子どもがなかなか本心を話してくれないという場合は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの第三者(機関)を利用することも検討しましょう。

その上で、やはり子どもが面会交流を拒否した場合は相手にその旨を伝えるべきですが、その場合でも相手に子どもの気持ちが変わればいつでも面会交流を認めることを相手に伝えるとトラブルの防止につながります

他方で、それでも相手が納得しない場合は調停を申し立て、面会交流を行うか否か、行うとしていかなる方法で行うかを決めていくことになります。

調停では家庭裁判所調査官による調査が行われ、調査結果が調停や審判にいかされます。

相手が養育費を支払ってくれない

養育費と面会交流とは「養育費を払ってくれるから面会交流を認めている」という対価関係にはないからです。

養育費と面会交流は切り離して考える必要があります。

相手が養育費を払ってくれない場合は、別の(内容証明郵便による請求、調停の申し立てなど)を使って請求する必要があります。

再婚したため、子供を新しい環境に馴染ませたい

かつては、平穏な生活に波風を立てないという理由で面会交流を拒否できていました。

しかし、近年は、面会交流を拒否できる理由とすることはできなようになっています。

子どもは監護親と非監護親との関係を個別に持つことができる考えられているからです。

 

面会交流を拒否した際のリスク①~慰謝料請求、親権者変更

ここからは、面会交流を制限すべき特段の事情がないにもかかわらず面会交流を拒否し続けた場合に受けるリスクについて解説します。

一つ目に、面会交流を拒否され続けたことによって精神的苦痛を受けたとして、相手から慰謝料請求(損害賠償請求)されることです。

もっとも、その前提として、面会交流の拒否行為が違法行為(不法行為)と評価されるものでなければなりません。

したがって、相手から慰謝料請求されるのは、

話し合いや調停などで面会交流の方法を具体的に決めている場合で、かつ、

  • 面会交流を積極的に妨害している
  • 相手から長年にわたり面会交流を求められているのに拒否し続けている

というかなり例外的なケースに限られます

二つ目に、相手から「親権者変更調停」を家庭裁判所に申し立てられることです。

前述のとおり、面会交流は子どもの利益のためにあるのに、面会交流を制限すべき特段の事情がないにもかかわらず面会交流を拒否し続ける親は子どもの親権者として適任ではない、というのが申し立ての理由です。

万が一、親権が相手に移った場合は、面会交流を拒否するどころか、今度はあなたが相手に対して面会交流を求める立場に立たされます。

もっとも、裁判所は、虐待や育児放棄など親権者として明らかに不適任と認められる事実がある場合を除いて、今ある子供の生活環境はなるべく変更させたくないと考えています

相手から親権者変更調停を申し立てられたからといって、慌てず冷静に対処すれば多くの場合は変更させられずに済みます。

 

面会交流を拒否した際のリスク②~履行勧告、間接強制命令

次に、離婚調停(審判)や面会交流調停(審判)で面会交流の方法を取り決めた場合に受けるリスクについてです。

一つ目に、調停・審判をした家庭裁判所から履行勧告を受けることです。

履行勧告とは「(調停・審判で取り決めたとおりに)面会交流させなさない」という家庭裁判所からの注意勧告です。

履行勧告の内容は、家庭裁判所から送達されてくる「履行勧告書」という文書に記載されています。

履行勧告書は何の前触れもなく、ある日突然、ご自宅に送達されてきますから、受け取った当初は驚かれるかもしれません。

しかし、履行勧告に従わなかったことに対する制裁金や罰則のようなものはありませんし、子どもを連れていかれるなどの強制的な措置を取られるというわけでもありません。

つまり、履行勧告に強制力はないのです。履行勧告に従うかどうかは、あなたの判断に委ねられているといえます。

二つ目に、間接強制命令を受けることです。

間接強制命令とは、「相手に面会交流させない場合、1回につき●万円(5万円~10万円程度が相場)を相手に支払え。」という家庭裁判所からの命令のことです。

間接強制命令の内容はご自宅に送達される「決定書」に記載されています。

面会交流に応じた場合はお金を支払う必要はありませんが、拒否した場合はお金を支払う義務が生じ、お金を支払わない場合は最終的には財産を差し押さえられてしまう可能性まで出てきます。

このように、間接強制命令は、あなたにお金を払いなさいという心理的なプレッシャーをかけることで、間接的に面会交流を実現させることを目的としているのです。

なお、面会交流では裁判所の執行官が子どもを強制的に連行し、相手の元へ連れて行って無理矢理、面会交流を実現させるという直接強制の手段を取られることはありません。

間接強制命令が出されるのは、

  • 面会交流の日時または頻度
  • 各回の面会交流時間の長さ
  • 子どもの引き渡し方法       

 

などが具体的に決められている場合です。

もっとも、調停や審判では、子どもの体調の変化によって面会交流ができなくなった場合に対応できるような柔軟な条項を取り決めることも少なくありません。

このような場合は、間接強制ではなく(再)調停を申し立てられることもあります。

 

面会交流を拒否する理由にできるもの

ここまでは、面会交流を制限すべき特段の事情がない場合特段の事情がないにもかかわらず面会交流を拒否した場合に受けるリスクについて解説してきました。

ここからは、面会交流を制限すべき特段の事情とは何かについて、その主なものをピックアップして解説したいと思います。

相手から子どもに対して虐待を加えられるおそれが高い

過去に相手が子どもに対して暴力を振るっていた、暴言を吐いていた、性的な行為に及んでいたなど虐待の事実がある場合です。

虐待の事実がある場合は子どもに与える悪影響は大きく、危害を加えられるおそれも否定できません。

また、そもそも子どもが非監護親と面会交流自体を拒否することが多いでしょう。

相手が子どもを連れ去るおそれが高い

過去に相手から子どもを連れ去られた経験がある、あるいは普段から連れ去りをほのめかす言動を受けているなどの場合です。

もっとも、面会交流を全面的に拒否することは難しい場合が多いです。

相手が子どもを連れ去る不安がとれない場合は、調停を申し立てて子どもと相手とを会わせない形での面会交流を求める第三者機関の付き添い型援助を利用するなどの方法で面会交流を実現させていくほかありません。

あなたが相手からDV被害を受けていた

過去にあなたが相手からDVを受けており、かつ、子どもにも悪影響を与えているという場合です。

もっとも、子ども事態には悪影響が及んでいない可能性があります。

その場合は面会交流を全面的に拒否するのではなく、調停の申し立てや第三者機関の利用などの方法で面会交流を実現させていくほかありません。

無理な条件を突きつけられている、条件を守らない

たとえば、子どもと毎日会いたいと要求される、(お互い遠方に住んでいるにもかかわらず)子どもを相手のもとに連れて来ること、その際の交通費を負担することを要求される、一度取り決めた面会交流の方法に従わない場合などです。

この場合も一度や二度の拒否は許されるでしょうが、それでは何の解決にもならないばかりか前述した慰謝料請求などの対象となってしまう可能性も否定できません。

面会交流の方法を決めていない場合も決めているのに従わない場合も、交渉あるいは調停で、面会交流の方法につき話し合い、面会交流を実現させていくほかありません。

 

面会交流を拒否するための証拠

相手から面会交流を求められても、面会交流の全部あるいは一部を拒否するためには「面会交流を拒否する理由にできるもの」でご紹介した4つの事実を裏付ける証拠を集めておくことです。

集めた証拠は、相手との交渉や相手から面会交流調停を申し立てられた際の調停の場で活用できます

子どもやあなたに対する虐待を裏付ける証拠としては、

  • 虐待場面、負傷した部位を撮影した写真、動画
  • 虐待時の音声を録音したレコーダー
  • 病院を受診した際に作成された診断書、カルテ
  • 警察、児童相談所、DVセンターに相談した際に記録された相談記録
  • 子どもから虐待を受けたと相談された直後に記録したメモ、日記   

 

などがあります。

また、子どもの連れ去り、無理や条件提示、条件不順守を裏付ける証拠としては、

  • 相手との会話を記録したレコーダー、メールの送受信履歴を記録したスクショ 
  • 連れ去り、無理な条件提示、条件不遵守についてあなたが付けたメモ、日記

 

などがあります。 

 

面会交流の負担を減らす方法

あなたが面会交流を拒否したいと考えているのは相手に対する感情のほかに、面会交流自体を負担に感じているからかもしれません。

面会交流といっても取りうる方法は様々ありますから、方法によっては負担を感じず、「面会交流を拒否したい」という気持ちから、「面会交流を認めてもよい」という気持ちへと切り替わるかもしれません。

そこで、最後に、面会交流の負担を減らす方法についてご紹介してまいります。

第三者機関を利用する

第三者機関とは、面会交流の橋渡し役、サポート役を担ってくれる機関です。

サポートしてくれる機関は、公益社団法人、NPO法人などの民間の機関から、都庁、県庁、市役所などの公的機関まで様々です。

サポートの方法は、子の引き渡しから付き添いまで行ってくれる「付き添い型」、子の受け渡しを行ってくれる「受け渡し型」など様々な方法があります。

利用にあたっては利用条件をクリアする必要があるほか、費用がかかる場合もありますので、申し込み前に利用条件などをしっかり確認しておきましょう。

関連記事:面会交流の第三者機関とは?種類、利用すべきケース、利用手順など解説

面会以外の方法で交流させる

面会以外の方法としては、従来から行われている手紙、メール、プレゼント、写真の交換などがあります。

また、近年では、ZOOM、Skypeなどを活用したオンライン面会を実施する方もおられます。

しかし、ZOOM、Skypeを行うにしても機器をセッティングする必要や機器を設置する上である程度スペースを確保する必要があります。

また、DVなどの理由で相手に住所を秘匿している方にとっては、相手に住所がバレる可能性があり敬遠されがちという課題もあるようです。

いずれの方法を取るにしても、自分勝手に決めることはできず、相手の理解(合意)を得ることが必要です。

相手との話し合いで決めることが難しい場合は、家庭裁判所に対して「面会交流調停」の申し立てを行うことを検討しましょう。

面会交流調停の申し立て方法などについては、以下の記事で詳しく解説していますのでよろしければ参考にしてみてくださいね。

関連記事:面会交流調停の申立て前後の流れ、拒否された場合の対処法を解説

まとめ

面会交流は、原則として拒否することはできません

つまり、拒否できるケースは限定的といってよいでしょう。

また、仮に拒否できるとしても、面会ではなく手紙、ZOOMなどを使った間接的交流、第三者機関を活用した面会など様々な方法を検討し、可能な限り、面会交流を実現させる方向に努める必要があります。