面会交流のルールの決め方、タイミング、注意点を解説【シートつき】

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面会交流のルールについて決めたいけど
■ 何をどう決めたらいいのかわからない
■ いつ話し合えばいいのかわからない
■ 話がまとまらない場合の対処法を知りたい

この記事は上記のような疑問、お悩みにお応えする内容となっています。

面会交流は子供が離れ離れに暮らすことになった親(非監護親)と交流できる唯一の機会、といっても過言ではありません。もし、面会交流を実施しないとなると、子供は片方の親からしか愛情を受けることができなくなり、子供の健全な成長を阻害してしまうことにもなりかねません。

そこで、子供が非監護親から虐待を受けていたなど面会交流を制限すべき特段の事情がない限りは面会交流は実施する方向で話を進めていくべきといえます。とはいえ、どんなルール(条件)を、どういう手続きで決めていけばよいのか、まったくの未経験の方にとってはわからないことだらけだと思います。

そこで、この記事では、あらかじめ決めておくべき面会交流のルールやルールの決め方などについて詳しく解説したいと思います。

面会交流のルール

面会交流についてどのようなルールを設けるかは親同士の関係性にもよります。以下では、親同士の関係が良好な場合と不良な場合とにわけてご紹介したいと思います。

親同士の関係が良好な場合

親同士の関係が良好で、親同士で面会交流の頻度、日時、場所等について話し合いができるのであれば、次のように、おおまかなルールだけを設定し、後は親同士でその都度ルールを設定することもできます。

乙(母)は、甲(父)に対し、丙(長男)との面会交流を認める。その面会交流の回数は1か月1回程度を基準とし、具体的な回数、日時、場所及び方法については、丙の利益を最も優先して考慮し、甲及び乙が誠実に協議してこれを定める。

このルールのメリットは、親や子供の都合等に合わせて面会交流のルールを柔軟に変更できる点です。ただし、親同士が冷静に話し合えることが前提です。

親同士の関係が不良な場合

一方、親同士の関係が不良で冷静な話し合いを行うことができない場合は、面会交流のルールを細かく決めておきます。話し合うべき内容は概ね次のとおりです。

●面会について
① 日時
② 子供の引き渡し・受け取り場所
③ 子供の引き渡し・受け取り方法
④ 立会人の有無、立会人
⑤ 宿泊の可否(可の場合は場所・方法・頻度など)
⑥ 旅行の可否(可の場合は場所・方法・頻度など)

⑦ 祖父母との面会の可否
●交流について
⑧ 電話の可否(可の場合は方法・頻度など)
⑨ メール、SNS、手紙の可否(可の場合は方法、頻度など)
⑩ プレゼント交換の可否(可の場合は内容、受け渡し方法、頻度など)
⑪ 行事への参加、見学の可否
⑫ 子供との写真交換の可否(可の場合は枚数、方法、頻度など)
●その他
⑬ 第三者機関の利用の有無(利用する場合は利用期間、援助のタイプ、費用負担など)

後日、齟齬が生じないよう、ルールは明確かつ具体的な内容にします。一方、子供の病気や怪我、急な予定などで、突然、面会交流ができなくなるという事態も想定されますから、代替案を設けるなどしてルールに一定の柔軟性をもたせることも大切です。

話し合いのタイミング

話し合いのタイミングは、以下のとおり、今後、夫婦がどういう方向で進みたいかによって異なります。

① とりあえず別居    ➡ 別居前(別居後でもOK)
② 離婚を前提(に別居) ➡ 離婚まで
③ 離婚後        ➡ いつでも

理想は上記のタイミングですが、話し合いはいつでもしていただいてかまいません。

また、一度、取り決めたルールに縛られる必要はありません。現状に合わなくなった場合は、いつでも話し合いの機会を設け、現状に合うルールに変更しましょう。話し合いが難しい場合は調停等を活用しましょう。

面会交流のルールの決め方

面会交流のルールの決め方は以下のとおりです。

【面会交流のルールの決め方】
① 夫婦間で話し合い
・離婚前(別居時)➡合意書(契約書)
・離婚する    ➡離婚協議書or公正証書

話し合いができない、話がまとまらない

② 家庭裁判所に対して調停を申立てる
・離婚前(別居時) ➡面会交流調停
・離婚前(離婚前提)➡夫婦関係調停調停(離婚)
・離婚後      ➡面会交流調停

調停不成立

③ 審判or調停に代わる審判に移行
・面会交流調停の場合      ➡自動的に「審判」に移行

・夫婦関係調整調停(離婚)の場合➡「調停に代わる審判」に移行or終了

④ 裁判(離婚する場合)?

①夫婦間で話し合い

まずは、夫婦で話し合って面会交流のルールを決めます。「面会交流のルール作りシート(←クリック)」を作成しましたので、よろしければ話し合いの際にご活用ください。

夫婦で面会交流を実施することが難しい場合は、第三者機関の活用も検討してください。第三者機関を活用する際は、費用はいくらかかるのか、費用は誰が負担するのかなども話し合っておきましょう。

話がまとまったら、合意内容を書面にまとめます。離婚前(別居する際)は「合意書(契約書)」、離婚する場合は「離婚協議書」、あるいは「公正証書」を作成します。

こぶき行政書士事務所では面会交流契約書の作成サービスを設けています。作成でお困りの場合はお気軽にお声がけください。弊所ホームページの「お問い合わせ」よりご連絡お待ちしております。

 

②家庭裁判所に調停を申立てる

夫婦で話し合いができない、話し合っても話がまとまらない、という場合は、家庭裁判所に対して調停を申立てます。

離婚前、離婚を前提としない場合は「面会交流調停」、離婚を前提とする場合は「夫婦関係調整調停(離婚)(=離婚調停)」を申立てます。また、離婚後も調停を申立てることができます。その場合は「面会交流調停」を申立ててください。

調停では調停委員が当事者の間に入って話をまとめていきます。調停で話がまとまれば調停が成立し、調停調書が作成されます。

一方、話がまとまらず「面会交流調停」が不成立となった場合は自動的に審判手続きに移行し、裁判官が面会交流のルールを決定します。また、「夫婦関係調整調停(離婚)(=離婚調停)」が不成立となった場合は、裁判所の判断で「調停に代わる審判(審判手続きではない)」に移行することがあります。

調停、審判が成立すると、相手が面会交流のルールを守らなかった場合は、履行勧告(強制力なし)や強制執行(間接強制)が可能となります。

 

面会交流を拒否できる場合もある

相手と離れ離れに暮らすことになったとしても、必ずしも面会交流を実施しなければならないわけではありません。状況によっては面会交流を拒否できる場合もあります。

一方、正当な理由なく拒否し続けると、慰謝料請求や親権者変更調停を申立てられる可能性があります。また、調停・審判後は家庭裁判所からの履行勧告や間接強制を受ける可能性もありますので注意が必要です。

 

面会交流を実施する際の心構え

ここまでは面会交流を実施するにあたってのルールについて解説してきました。

ただ、ルールを守らなかったり、子供の目の前で相手の悪口を言うなど、面会交流を阻害するような言動をとってしまうと、せっかく決めたルールも台無しになってしまいます。以下では、監護親(監護権をもち、子供と一緒に生活する親)と非監護親別に、日頃気を付けておきたい「心構え」を挙げましたので、しっかり確認していただき、子供にとって気持ちのよい面会交流となるよう心掛けてください。

【監護親の心構え】
(全般)

●面会交流のルールを守る
(実施前)
●相手と連絡を密に取る(特に、子供に関して)
●相手に面会交流時にやって欲しくないことを伝えておく
●子供の前で相手の悪口を言わない、喧嘩しない
●子供の体調管理に気をつける
(実施日当日)
●子供の体調不良など、やむを得ない場合以外は面会交流させる
●子供が突然「会いたくない」と言い出したら理由を聞く。代替案を提案する。
●子供に気持ちよく面会交流させる
●時間を守る
(実施後)
●子供が面会交流の思い出話をし始めたら遮らずに最後まで聞く
【非監護親の心構え】
(全般)
●面会交流のルールを守る
(実施前)
●相手と連絡を密に取る
(実施日当日)
●子供の意見、体調を尊重する(自分の都合で行動しない)
●子供に相手との生活状況を事細かに聞かない
●子供の目の前で相手の悪口を言わない
●子供とルール以外の約束をしない
●時間を守る
(実施後)
●面会交流で気になった点は相手に伝える

 

今回の内容は以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の執筆者
小吹 淳

こぶき行政書士事務所 行政書士 小吹 淳
HP :https://rikon-gyouseishoshi.com/

離婚協議書、離婚公正証書をはじめとする家族(夫婦)間契約書を中心に作成する行政書士です。書面作成、その他面談等ご希望の方は、本サイトの「お問い合わせ」又は上記HPの「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

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