面会交流の第三者機関とは?種類、利用すべきケース、利用手順など解説

離婚と子ども

■ 面会交流の第三者機関って何?
■ どこに、どんな機関があるの?
■ どんな援助を受けることができるの?
■ 利用条件ってあるの?
■ 利用するまでの手順を知りたい

この記事は上記のような疑問、お悩みにお応えする内容となっています。

「面会交流をさせなきゃいけないことはわかっているけど、相手と連絡をとるのも嫌だし、顔を合わせるのも嫌!」

そんなときに利用を検討したいのが「面会交流の第三者機関」です。

そこで、記事の前半では、面会交流の第三者機関や利用できる援助のタイプについて詳しく解説します。また、後半では、利用手順や利用の注意点について詳しく解説します。 

ぜひ最後までお読みいただき、今後の参考としていただけると幸いです。

面会交流の第三者機関とは

面会交流の第三者機関とは、親同士の葛藤が高いなどの事情から、親同士では別居親と子どもとの面会交流を実施することが困難な場合に、面会交流がスムーズにいくよう、当事者の間に入って面会交流をサポートしてくれる機関のことです。

第三者機関の種類

面会交流の第三者機関としては大きく、

  • 自治体
  • 各種(社団、公益、NPO)法人

が運営している第三者機関に分けることができます。

もっとも、機関の種類や数は各都道府県により異なりますので、詳しくは以下の「面会交流.com」の「面会交流支援団体」からお住い(あるいは、お住いから近く)の都道府県の第三者機関を探してみてください。

参考:面会交流.com 

自治体

自治体による第三者支援事業は、厚生労働省の母子家庭等就業支援・自立支援事業の一環として行われているものです。

2018年現在、

  • 千葉県
  • 東京都
  • 熊本県
  • 静岡市
  • 浜松市
  • 北九州市
  • 高松市
  • 明石市

がこの事業を実施しています。

東京都の場合は

機関名:東京都ひとり親家庭支援センター(はあと・はあと多摩)
住 所
(はあと)〒162-0823 東京都千代田区飯田橋3-4-6 新都心ビル7階
(はあと多摩)〒190-0012 東京都立川市曙町2-8-30 立川わかぐさビル4階

電 話
(はあと)03-6272-8270
(はあと多摩)042-506-1182

日 時
(はあと)9:00~20:30(火・水・木・金)、9:00~17:30(月・土・日・祝)
(はあと多摩)9:00~16:30(月・水・金・土・日・祝)、9:00~19:30(火・金)

が実施しています。

以下の利用条件を満たせば、無料(ただし、交通費、施設利用費、入園・入館料などの実費で支払う必要のある費用については自己負担)で、原則月1回、支援開始日より1年間、面会交流の支援を受けることができます。

【利用条件】
・面会する子が中学生以下であること
・同居親が都内に住所を有していること
父、母双方が面会交流の実施、援助を受けることについて同意していること
・父又は母による子の連れ去り、暴力などのおそれがないこと
・父、母が「面会交流支援申込書」、「収入(所得)証明書」をセンターへ提出すること
・双方、あるいは片方の所得水準が基準額以下であること(以下の表参照)

   父
母  
児童扶養手当相当児童育成手当相当それ以上
児童扶養手当相当 ×
児童育成手当相当× ×
それ以上×× ×

※〇・・・利用可 ×・・・利用不可
※児童扶養手当(子ども1人の場合)
230万円(収入目安額354.4万円) 
※児童育成手当(子ども1人の場合)
398.4万円(収入目安額565.6万円)

なお、明石市のように、厚生労働省の定める支援の条件(月1回、期間1年)を超えて支援が必要なケースについても、市の援助により援助の範囲を広げている自治体もあります。

公益社団法人、NPO法人

東京都の場合は、

などがあります。

支援を利用するにあたっては、各法人が独自に設ける利用条件をクリアする必要があります。支援内容やかかる費用、利用するための手順などは各法人によって異なりますので、必ず事前にホームページなどで確認しておきましょう。

第三者機関の支援の内容

第三者機関の支援の内容は大きく

  • 付き添い型
  • 受け渡し型
  • 連絡(日程)調整型

の3種類に分類されます。

付き添い型

支援員が別居親と子どもとの面会交流の場に付き添うものです。

なお、付き添い型には、以下の受け渡し型、連絡(日程)調整型による支援も含まれていることもあります。

付き添い型は、たとえば、

  • 別居親が子どもに暴力を振るったり、連れ去ったりしないか心配
  • 別居親がきちんと取り決めとおり、面会交流してくれるか心配

など、同居親が別居親に対して不信感を抱いている場合に利用するメリットがあるといえます。

一方、支援員が面会交流に付き添う分、3種類の支援型の中で費用は最も費用が高額となるという点がデメリットといえます。

受け渡し型

援助者が、子どもの受け渡し場所において、子どもの受け渡しをするものです。

下記の連絡(日程)調整型の支援まで含まれていることが通常ですが、付き添い型の支援までは含まれていない点に注意が必要です。

受け渡し型は、たとえば、

  • 受け渡し時に別居親と直接顔を合わせたくない
  • DV、モラハラ、浮気・不倫されていた
  • 子どもが単独で別居親と一定時間で過ごすことができる年齢に達している

などという場合に利用するメリットがあるといえます。

費用面では付き添い型の次に高額となる傾向です。

連絡(日程)調整型

親同士が相互に連絡を取り合うことが困難な場合に、代わりに援助者が双方と連絡を取り合って面会交流の日時、場所等の調整するものです。

付き添い型、受け渡し型と異なり、付き添い、子の受け渡しは行いません。

したがって、相手と直接の連絡は取りたくないものの、

  • 子どもが単独で別居親との待ち合わせ場所まで行くことができ、かつ、別居親と一定時間過ごすことができる

という場合は利用するメリットがあるといえます。

費用面では3つの型の中では一番安くなります。

第三者機関を利用するまでの手順

第三者機関を利用するまでの流れは、おおむね以下のとおりです(※ご利用機関や状況によって手順は異なってきます)。

① 第三者機関を探す

② 話し合う、書面を作成する

③ 援助申し込み&事前面談

④ 契約(援助決定)

面会交流実施 

① 第三者機関を探す

まずは、前述の「面会交流.com」を使って利用できそうな第三者機関を探します

機関によってそれぞれに独自の方針、取り決めなどがありますから、事前にホームページを見たり、直接問い合わせするなどしてよく情報収集しましょう。

近くに第三者機関がなく、遠方の第三者機関を利用せざるをえない場合もあります。子供への負担、面会交流でかかる費用のことも考えながら、第三者機関を利用するか否か、利用するとしてどの第三者機関を利用するか検討する必要があります。

② 話し合う、書面を作成する

次に、話し合いの機会を設け、第三者機関を利用することについて相手と合意しておく必要があります。話し合いができない場合は調停を申立て、調停(あるいは、審判)手続きの中で合意を目指すこともできます。

合意ができたら、

■ 面会交流の頻度 (例:月1回 など)
■ 面会交流の日時 (例:第2土曜日の午後2時~午後4時までの2時間 など)
※ ただし、第三者機関に委ねることもあります。
■ 利用する機関
■ 利用する援助のタイプ
■ 費用負担 (援助にかかる費用、交通費を誰が負担するか)

について取り決めます。

話し合いができた場合は「面会交流契約書(合意書)(別居の場合)」、「離婚協議書(あるいは、離婚公正証書)(離婚の場合)」を作成します。

また、調停を申立て調停が成立した場合は調停調書という書面が作成されますから、その謄本を裁判所から取り寄せます(調停が成立せず審判に移行した場合は「審判書謄本(審判に移行した場合)」を取り寄せます)。

 

こぶき行政書士事務所では面会交流契約書の作成サービスを設けています。作成でお困りの場合はお気軽にお声がけください。弊所ホームページの「お問い合わせ」または下記のココナラからでも、ご相談、ご依頼を受け付けております。

面会交流契約書(合意書)を作成します 離婚行政書士がご要望に沿った面会交流契約書を作成します

③ 援助申込み&事前面談 

次に、第三者機関に連絡を入れ、援助を申し込みましょう。

ほとんどの第三者機関で夫婦それぞれが、援助開始前に、事前面談を受ける必要があります。事前面談には費用(3,000円~1万1000円程度)がかかる場合がありますが、夫婦各自で負担します。

合意書等の書面が手元にある場合は事前面談の際に持参しましょう。事前面談後に書面ができた場合は、速やかに第三者機関へ送付しましょう。

④ 契約(援助決定)

第三者機関側が、提出された書類や夫婦それぞれから聴き取った内容から、利用条件をクリアしており、援助することが相当と判断した場合は、父・母・第三者機関の3者の間で契約を締結します。利用期間は第三者機関にもよりますが1年とすることが多いです(当事者の合意があれば更新も可能)。

契約締結後は合意したルールにしたがって面会交流を実施していきます。

第三者機関を利用する場合の注意点

最後に第三者機関を利用する際の注意点について解説いたします。

利用するには条件がある

第三者機関の援助を利用するには一定の条件をクリアする必要があります

特に、自治体による援助は無料である反面、資力条件をクリアしなければ利用することができません。

また、条件とまではいえませんが、面会交流の方法は、少なくとも大筋については当事者同士で話し合って決めておく必要があります。第三者機関が当事者の間に入って決めてくれるわけではありません。

そのため、当事者の関係性しだいではこの段階でつまずく可能性も高く、結局は、第三者機関を利用したくても利用できないという事態にもなりかねません。

利用するには費用がかかる

民間の第三者機関を利用するには費用がかかります。以下のとおり、援助の内容(付き添い型、受け渡し型、連絡(日程)調整型など)や第三者機関によっても金額が異なりますので、事前に確認しておきましょう。

  • き添い型:15,000円前後~25,000円前後
  • 受け渡し型:10,000円前後~15,000円前後
  • 連絡調整型:1万円未満(3000円程度

面会交流にも制限がある

第三者機関による面会交流の回数は基本的には月1回、1年間(年12回)が基本です(民間の第三者機関の場合は、父、母双方の同意があれば期間の更新可)。

お金を払った分だけ面会交流できるというわけではなく、第三者機関が定めたルールに従う必要があります。

なお、多くの第三者機関が、最終的には当事者同士で面会交流を実施できることを目的としています。そのため、援助期間中も、第三者機関に頼りきりにならず、可能な限り、徐々に自分たちだけで面会交流を実施できるよう心掛けていくことが大切です。

 

今回の内容は以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の執筆者
小吹 淳

こぶき行政書士事務所 行政書士 小吹 淳
HP :https://rikon-gyouseishoshi.com/

離婚協議書、離婚公正証書をはじめとする家族(夫婦)間契約書を中心に作成する行政書士です。書面作成、その他面談等ご希望の方は、本サイトの「お問い合わせ」又は上記HPの「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

離婚と子ども
離婚のお悩み相談室