子連れ別居の準備リスト | 別居時の注意点や連れ去りへの対処法

離婚の準備

子供を連れて別居したいけど、

■ 何を、どう準備すればよいか分からない
■ 注意点を教えて欲しい
■ 万が一、子供を連れ去られた場合の対処法を知りたい

この記事では上記のような疑問、悩みにお応えする内容になっています。

別居する際は、離婚の際に不利にならないためにも事前に準備すべきことがたくさんあります。子連れ別居する際は、さらに準備すべきことが増えます。そのため、「何から手を付けてよいかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?

そこで、この記事では、子連れ別居の際に特に注意して準備しなければいけないことをピックアップして解説しています。加えて別居時の注意点や連れ去り時の対処法についても解説したいと思います。なお、別居の準備の進め方等については以下の記事で詳しく解説しています。

 

子連れ別居する際に特にやるべきこと

ここからは、子連れ別居の際に特にやっておかなければいけないことをリストアップして解説します。なお、DV、モラハラ、子供への虐待など、直ちに別居する緊急性が高い場合は身の安全を確保することを優先させてください。

転園、転校の手続き

まずは別居後、どこの保育園、幼稚園、学校に子供を通わせるのかという問題をクリアしなければいけません。

あなたがDV、モラハラや子供が虐待を受けていて、相手と会いたくない、子供に会わせたくないという場合は、相手の知らない場所へ引っ越し、そこの園や学校に通わせる必要があります。

園や学校によっては、事前に下見や面接などが必要となる場合もあるでしょう。また、仕事をしながら子育てしていくには、子供の預け先も検討しておく必要があります。転園、転校するには一定の準備期間が必要ですから、はやめはやめに行動することが必要です。

さらには、保育園、幼稚園(特に保育園)についてはいつでも入園できるとは限りません。転園できる時期、準備すべきこと、手続きの流れなどについては、園や学校、別居先の自治体に必ず確認してください。

なお、転園、転校によって、子供はこれまで仲良くしていた友達や先生、慣れ親しんだ環境と別れなければいけません。また、別居後は、慣れない環境の中、一から友人関係を築いていき、環境にも順応していかなければならず、子供にとっては大きなストレスとなります。そこで、子供のストレスにも配意し、

■ 入園・入学、新学期の時期に合わせて別居する
■ 長期休暇期間中に別居し、期間中は環境になじませる

などの配慮も必要となってきます。

認可保育園への転園までの基本的な流れ(詳細は市区町村役場や保育園担当者にお尋ねください。認可外保育園への転園は各保育園に問い合わせてください。)
①別居先の市区町村役場の担当に相談→②園の情報収集→③下見、見学→④転園にかかる費用を計算→(別居が決まってから)→⑤退園届を提出(市区町村役場又は現在の保育園宛て)→⑥別居先の市区町村役場で転園申請、必要書類(※)を提出→⑥転園の認定(内定)→⑦ならし保育
※転園時:入園(転園)申請書、就労(内定)証明書、所得がわかる書類(源泉徴収票、確定申告書、非課税証明書)など

●公立小中学校の転入校までの流れ(私立については、各学校へお問い合わせください)
(別居が決まってから)

①転校を申し入れる

②現在の学校で「在学証明書」、「教科用図書給与証明書」を受け取る


(同じ市区町村内に別居する場合)
現住所の市区町村役場で「在学証明書」と「転居届」を提出し、「転入学通知書」を受け取る
(異なる市区町村へ別居する場合)
現住所の市区町村役場で「転出届」を提出し、「転出証明書」を受け取る→別居先の市区町村役場で「在学証明書」と「転出証明書」を提出し、「転入学通知書」を受け取る

④新しい学校に「在学証明書」、「教科用図書給与証明書」、「転入学通知書」を提出する

児童手当の受給者変更

現在、相手が児童手当の受給者でも、別居後はあなたが受給者となって児童手当を受給できる可能性があります。

別居後に児童手当を受給するには、別居後の市区町村に対して受給者の認定申請を行う必要があります。認定を受けるには、①あなたと子供が同居していること、②離婚協議(調停)中であること、が必要で、かつ、認定請求の際に②を証明する書類を提出しなければいけません。②を証明する書類としては

■ 合意書(少なくとも、夫婦の一方に離婚意思があって、相手(現受給者)にその意思が表明されていることが客観的にわかる文書)
■ 家庭裁判所から受け取った調停期日呼出状(通知書)の写し
■ 家庭裁判所が発行する事件係属証明書
■ 家庭裁判所が発行する調停不成立証明書

などがあります。手続きや必要書類については別居先の市区町村に必ず確認するようにしてください。

参照:児童手当Q&A | 内閣府

面会交流の条件について話し合う

子供に愛情を注いできた親であればあるほど、別居後に、子供と会えなくなること以上に辛いものはありません。仮に、あなたが相手に何の断りもなく子連れ別居したとすれば、怒りの矛先はあなたに向けられ、修復はもちろん、離婚に向けた話し合いもスムーズに運べなくなる可能性が高いです。

そのため、可能な限り、別居前に面会交流について取り決めておくことが必要です。話し合いができない、話がまとまらない場合は、別居後に「面会交流調停」を申し立てることも可能です。

 

子連れ別居の際の注意点

子連れ別居の際に特に注意しなければならないのは以下の点です。

相手から「連れ去り」を主張される可能性がある

相手に断りもいれず別居に踏み切った場合は、相手から「連れ去り」を主張される可能性があります。

相手が連れ去りだと認識すると、警察に通報されて警察沙汰まで発展したり(※)、相手があなたの親族の家や子供の保育園・幼稚園、学校に押しかけたりするなど、色々と面倒なことになりがちです。

こうしたトラブルに発展させないためにも、可能な限り、別居前に別居や子供のことなどについて相手と話し合い、合意しておくことが必要です。

また、仮に話し合いが難しい場合でも、別居後に相手に連絡を取り、あなたと子供の身の安全や別居の意図、今後お互いがやるべきこと(特に、婚姻費用、面会交流の取り決め)などを丁寧に説明する必要があります。相手と直接連絡を取りたくない場合は、弁護士に依頼して伝えてもらうことも検討しましょう。

※親権をもつ親の連れ去りでも、形式上は未成年者略取罪(刑法224条:3月以上7年以下の懲役)に該当する可能性があります。ただ、相手が警察に被害届を出しても、警察が動いてくれるかどうか、罪に問われるかどうかはまた別の話です。

子供が精神的に不安定になるおそれがある

別居するということは、普段から夫婦の仲がうまくいっておらず、子供もそのことを敏感に感じています。そして、責任感が強い子供やこれまで親からたくさんの愛情を注がれてきた子供ほど、「別居することになったのは自分の責任ではないか?」と感じる傾向にあります。

そこで、まずは「別居することになったのはあなたの責任ではないこと」をきちんと伝えましょう。そして、別居後も、「あなたは二人の親の子供であることに変わりはなく、二人から愛され続ける」ということを言い続けるのです。

その証拠として、別居後は、積極的に面会交流させるのが効果的です。面会交流と一言でいっても様々な形がありますから、実情にあった方法で実施していきます。面会交流は子供のためにあるものですから、親同士の勝手や都合や判断で面会交流を実施しないことだけは避けてください。

子連れ別居後に子供を連れ去られたら?

子連れ別居した後に、相手が子供を連れ去ってしまう場合も考えられます。

万が一連れ去られた場合は、一刻も早く家庭裁判所に「子の引き渡し審判」を申し立てましょう(※)。また、緊急性が高いため、申立てと同時に、子供の仮の引き渡しを請求する「審判前の保全命令」の請求も併用します。事態を放置して相手に監護実績を積まれると、相手に親権が渡ってしまうおそれがあります

もし、相手の住所や連れ去り先がわからない場合は、警察に捜索願や未成年者略取罪の被害届を提出することも検討しましょう。それで警察が動いてくれるとは限りませんが、審判で相手から監護実績を主張された際の反論材料として使えます。

また、同時に市区町村で相手の住所が記載されている戸籍の附票を請求しましょう。離婚後も、次のいずれかに該当する場合は取得することが可能です(ただし、相手に交付(閲覧)制限をかけられた場合は取得できません)。

■ 離婚前の戸籍(今の夫の戸籍)にあなたの(離婚によって)除籍された戸籍が載っている場合
■ 今の夫の戸籍に子供の戸籍が載っている場合
■ 戸籍の附票請求が正当な理由に基づく場合

参照:子の引き渡し調停 | 裁判所

※調停と審判との違い
調停は話し合い、審判は裁判官の判断で解決する手続きです。子の引き渡しでは、話し合いでの解決は期待できないことから審判を選択するのが一般的です。

 

今回の内容は以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。