法テラスを利用した場合の離婚の弁護士費用は?条件、注意点も解説

離婚の手続き

お友達追加で
「無料」でご相談できます。

友だち追加

離婚する際、弁護士に相談・依頼しようと思っても、

  • 弁護士費用がいくらかかるか不安
  • 弁護士費用を払える自信がない

ということでお悩みの方も多いのではないでしょうか?

そんなときに利用を検討したいのが法テラスです。

法テラスを利用するには一定の条件が必要ですが、利用できれば費用を安く抑えることができます

本記事を読んで、ぜひ、参考にしてみてくださいね。

この記事を読んでわかること

  • 法テラスとはなにかがわかる
  • 法テラスが提供しているサービス内容がわかる
  • サービス内容ごとの利用条件がわかる
  • 法テラスを利用した場合の弁護士費用がわかる
  • 法テラスを利用した場合の弁護士費用の支払い方法がわかる
  • 法テラスを利用するメリットがわかる
  • 法テラスを利用する際の注意点がわかる

 

法テラスとは?

法テラスとは、正式には、「日本司法支援センター」といいます。

総合司法支援法という法律に基づいて設置された機関で、2006年(平成18年)4月10日に東京都に本部が設置されたのが始まりです。

 

法テラスの語源は、法テラスの設立の趣旨に求められます。

すなわち、法テラス設立の趣旨は、離婚をはじめとする法律問題で悩んでいる悩んでいる方々にとって、弁護士等(司法書士、行政書士も含む)の存在をより身近に感じていただき、弁護士等による法的サービスを利用しやすい環境を作り、利用者の法律問題を解決することにあります。

そして、利用者の「法」律問題を解決して利用者の心に明るい光を「テラス」という意味で「法テラス」と名付けられているのです。その他、「法テラス」には、誰でも気軽に法律問題について相談に来ることができる空間(テラス)、という意味も込められています。

法テラスの事務所は各都道府県に必ず最低1つは設置されています

法テラスの所在地、電話番号、営業時間は以下よりご確認できます。

参考:法テラスの所在地、電話番号、営業時間

 

離婚問題で利用する法テラスのサービス(業務)と利用条件など

法テラスが提供するサービスには様々なものがありますが、離婚のことで相談したい、弁護士に依頼したいという場合に利用するサービスは「民事法律扶助業務」です。

そして、民事法律扶助業務には、「法律相談援助」と「代理援助・書類作成援助」があります。

以下では、それぞれのサービスの内容や利用条件などについて解説します。

法律相談援助

法律相談援助とは無料法律相談のことです。

1回の相談時間は30分程度で、1つの離婚問題につき3回まで無料で受けることができます。

【利用条件】

以下の2つの条件を満たすこと。

①「収入」と「資産」(両者を合わせて「資力」といいます)が一定額以下であること

※資力基準については以下でご確認ください。

参考:法律相談援助の資力基準|法テラス

※離婚で配偶者が相手方の場合は、配偶者の収入、資産は合算されません。

※法律相談援助の場合、資産は「現金」と「預貯金」の合計額のみで判断されます。

※法律相談援助の場合の収入、資産は自己申告です。

②民事法律扶助の趣旨に適すること

 

代理援助、書類作成援助

代理援助とは、弁護士があなたの代理人として相手との離婚協議、離婚調停、離婚訴訟を行った際に発生する弁護士費用(※)を法テラスが立て替え、後日、分割で返済できるサービスのことです。

また、書類作成援助とは、弁護士があなたに代わって離婚に関わる書類(離婚協議書、示談書、離婚調停申立書、訴状など)を作成した際に発生する弁護士費用を法テラスが立て替え、後日、分割で返済できるサービスのことです。

 

※弁護士費用

着手金、報酬金、実費(郵送費、交通費、印紙代など)のこと。

【利用条件】

代理援助、書類作成援助の利用条件は上記の①、②に加えて、③勝訴の見込みがないとはいえないこと、です。

もっとも、「勝訴」とはいっても、協議離婚が成立する見込みがあること、調停、裁判(和解、認諾、判決)

で解決する見込みがあると認められる場合は③に当たります。

 

なお、代理援助・書類作成援助を利用する場合は収入を裏付ける書類等を取り寄せて法テラスに提出し、審査を受ける必要があります(資産は自己申告)。

【法テラスに提出する必要のある書類】

  • 収入に関する書類

・給与明細(直近2ヶ月のもの)

・課税証明書(直近のもの)

・確定申告書の写し(直近の分で、税務署の収受印のあるもの。E-Taxの場合は、受付結果(受信通知)。

・生活保護受給証明書(援助申込みから3か月以内に発行されたもの)

・年金証書(通知書)の写し(直近のもの)

  • 資力申告書(生活保護受給中の方以外)
  • 世帯全員の住民票の写し(本籍、筆頭者及び続柄の記載のあるもの)
  • 戸籍謄本(離婚の場合)

 

審査期間は平均2週間程度ですが、長期休暇(GW、お盆、正月など)を挟むと混雑し、3週間から1ヶ月程度かかることもあります。余裕をもって申し込みを行いましょう。

法テラスを利用した場合の離婚の弁護士費用と費用の支払い方法

法テラスの弁護士費用が、一般の法律事務所に比べて安いことは事実であり、ご存知の方は多いと思います。

しかし、法テラスを利用すると、どの程度の弁護士費用が発生するのか、という点についてはあまりネットなどにも掲載されておらず、ご存知の方も少ないはずです。

そこで、以下では、弁護士費用の中でも金額の大きい「着手金」と「報酬金」についてまとめ、最後に、具体例を使って、法テラスを利用した場合と利用しなかった場合に発生する弁護士費用を計算し、法テラスを利用した場合の弁護士費用の支払い方法について解説したいと思います。

着手金

着手金は契約直後に発生する費用です。

法テラスを利用した場合、法テラスが一時的に着手金と実費(20,000円~35,000円)を立て替えてくれます

ただし、援助継続中から、着手金と実費分の費用(立替金)について、月々5,000円~10,000円程度の額(償還金)を支払っていかなければなりません

そして、相手から慰謝料などの金銭を得ることができれば、援助終了時に、得られたお金の中から立替金について精算し、足りなかった分は、月々5,000円~10,000円の範囲で返済していくことになります(※詳しい支払い方法は、後の「具体例を使った弁護士費用の計算と支払い方法の「法テラスの場合」で解説します」。

 

【法テラスを利用した場合と利用しなかった場合の着手金】

法テラスを利用した場合法テラスを利用しなかった場合
協議離婚66,000円~165,000円 ※1150,000円~
調停離婚88,000円~198,000円   ※2250,000円~
裁判離婚198,000円~385,000円 ※3300,000円~

※1

協議が不成立に終わり、調停に移行した場合は、協議の着手金の半額程度の金額が加算されます。

※2

調停から裁判までを一括して依頼する場合は「88,000円~110,000円」で、調停が不成立となり裁判に移行した場合は「165,000円」が加算されます。

※3

金銭請求を伴わないものは「198,000円~253,000円」で、伴うものは「231,000円~385,000円」です。

 

報酬金

報酬金は弁護活動の成果に応じて発生する費用です。

報酬金の計算方法は、協議離婚、調停離婚、裁判離婚、いずれの場合も同じです。

まず、法テラスを利用した場合の報酬金をみていきましょう。

【法テラスの報酬金】

  • 金銭その他の財産的給付がない場合

(例)婚姻費用、養育費、慰謝料、財産分与請求などの金銭的請求をしなかった場合

・ 「66,000円~132,000円」

  • 金銭の給付がある場合 

(例)婚姻費用、養育費、慰謝料、財産分与請求などの金銭的請求をした場合

・現実に入手した金銭が3000万円まで 「入手した金額の10%(税別)」 

・現実に入手した金銭が3000万円を超える 「超えた金額の6%(税別)」

※養育費、婚姻費用については、長期間に渡り、相手に請求できるため「2年分の10%」と上限額を設定

されることが通常です。

  • 金銭以外の財産的給付がある場合

(例)不動産、自動車などを譲り受けた場合

・受けた利益が1000万円まで 「受けた利益の10%(税別)」

・受けた利益が1000万円を超え3000万円まで 「超えた利益の6%(税別)」

・受けた利益が3000万円を超え5000万円まで 「超えた利益の5%(税別)」

・受けた利益が5000万円を超える部分について 「超えた利益の4%(税別)」

※金銭その他の財産的給付がある場合の報酬金の下限は88,000円です。つまり、上記の計算で、報酬金

が88,000円を下回る場合は、報酬金は発生しません。

 

次に、法テラスを利用しなかった場合の報酬金についてみていきましょう。

【法テラスを利用しなかった場合の報酬金】(例)

基本報酬金+追加報酬金の2階建てが一般的です。

  • 基本報酬金 200,000円~300,000円
  • 追加報酬金 

(婚姻費用、養育費、慰謝料、財産分与、年金分割について) 「経済的利益(※)の10~15%」

(親権、面会交流について) 「100,000円~300,000円」

※経済的利益

相手方に請求できる金額のこと。養育費、婚姻費用については、法テラスと同様、「●年分を上限とす 

る」と上限額が設定されるのが通常です。

 

具体例を使った弁護士費用の計算と支払い方法

それでは、以下の事例を使って、実際に弁護士費用を計算してみましょう。

【具体的事例】

・協議離婚時から依頼

・協議離婚成立

・親権獲得

・養育費は月8万円(子一人)

・慰謝料は100万円

・財産分与は100万円(不動産なし)

・年金分割なし

 

まずは、法テラスを利用した場合は以下のとおりです。

 

【法テラスを利用した場合の弁護士費用】

着手金:100,000円(目安)

報酬金:392,000円(①+②)

(内訳)①200万円×10%=200,000円/②80,000円×24(2年分)×10%=192,000円

実 費:20,000円

合 計:512,000円

 

なお、法テラスを利用した場合の弁護士費用の支払い方法の流れは以下のとおりです。

 

①援助開始→「着手金」、「実費」発生(法テラスが立て替え)

②援助開始から約2ヶ月後→立替金について分割で返済(月々5,000円~10,000円)

③援助終了→相手方から得られたお金がある場合は、そのお金で「(未償還分の)立替金」と「報酬金」を精算

④足りなかった分を分割で返済していく

 

着手金の箇所でも触れましたが、まず、着手金と実費(120,000円)が法テラスにより立て替えられます(①)。

しかし、依頼者は、その120,000円について、月々5,000円~10,000円の範囲で返済していく必要があります(②)。

その後、援助が終了し、相手方から得られた2,000,000円で着手金と実費の未償還分の額(たとえば、60,000円)と報酬金(392,000円)を精算します(③)。

したがって、2,000,000円から452,000円を引いた1,548,000円が利用者の手元に残るという計算になります。

次に、法テラスを利用しなかった場合は以下のとおりです。

【法テラスを利用しなかった場合の弁護士費用】

着手金:200,000円(目安)

報酬金:792,000円

(内訳):200,000円(基本報酬金)+200,000円(親権獲得分)+200,000円(慰謝料、財産分与の経済的利益×10%とした場合)+192,000円(養育費分)

実 費:???

合 計:992,000円~

 

いかがでしょうか?法テラスを利用した場合、弁護士費用を抑えられることはご理解いただけましたでしょうか?

法テラスを利用するメリット

法テラスを利用するメリットは、

  • 法律相談を無料で受けられること(1回30分程度を3回まで)
  • 弁護士費用を抑えること

ほか、

  • 着手金を立て替えてくれる
  • 分割返済が可能
  • 生活保護受給者は返済を猶予又は免除される

という点です。

着手金を立て替えてくれる

着手金のところで解説したとおり、法テラスを利用した場合は、法テラスが着手金を立て替えてくれます。

他方で、法テラスを利用しなかった場合は、基本的に、一括での支払いを求められます(あるいは預り金として支払い、弁護活動終了時に発生した弁護士費用と精算)。

また、着手金を支払うまでは弁護活動を始めてくれません。

着手金だけでも相当な金額ですから、直ちに準備が難しい方にとってはメリットといえます。

分割返済が可能

この点もすでに解説していますが、法テラスを利用した場合は、月々5,000円~10,000円程度の範囲で分割返済が可能です。

他方で、法テラスを利用しなかった場合は、一括での支払いを求められることが多く、仮に、分割支払いが認められたとしても数十万単位の金額でしょう。

生活保護受給者は返済を猶予、免除される

返済の猶予とは、法テラスが返済を待ってくれることです。免除とは、返済しなくてもよいということです。

猶予、免除の対象者は、生活保護受給者や生活保護を受けていなくても生活保護に準じる程に生計が困難で生計回復の見込みが少ない方です。

もっとも、対象者であっても、相手から金銭を得ることができた(得る見込みがある)場合は、そのお金から立替金や報酬金が精算され、さらに、相手方から得ることができた(得る見込みがある)金銭のうち最低25%の金額は返済が必要です。

つまり、対象者であっても「完全に無料ではない場合もある」という点に注意が必要です。

返済免除の要件などについては、以下でご確認ください。

参考:返済免除について|法テラス(3の「いつから返済するの?」をご覧ください)

 

法テラスを利用する際の注意点

法テラスを利用することにはメリットがある反面、注意していただきたい点もございます。

完全無料ではない

法テラスと聞くと、「費用が安い」というだけでなく、「費用がかからない(=無料)」と思っている方も多いですが、それは大きな間違いです。

これまで解説してきたとおり、法テラスを利用しても費用は発生しますし、一定の条件を満たす方を除いて、分割ではありますが返済していかなければなりません

利用にあたって手間、暇がかかる

法律相談援助を利用する場合は、収入、資産を自己申告すれば足ります。

他方で、代理援助・書類作成援助を利用する場合は、収入等を裏付ける証明書類を入手し、法テラスに提出し、審査を受ける必要があります。また、審査には2週間から場合によっては1ヶ月ほど期間を要する場合があります。

弁護士を選べない

法テラスに直接申し込んで援助が開始した場合は、法テラスが、法テラスと契約している弁護士を選び、あなたの担当弁護士とします。つまり、あなた自身で弁護士を選べないというわけです。

自分に合った弁護士を探したいという場合は、必ず、法テラスと契約している法律事務所を通じて利用を申し込んでもらい、利用するようにしましょう。

 

法テラスの利用の申し込み方法

法テラスを利用するには、法テラスに対して利用の申し込みを行う必要があります。

利用の申し込み方法は

  • 法テラスに直接申し込む方法
  • 法律事務所を通じて申し込む方法

があります。

法テラスに直接申し込む方法

お住いのお近くの法テラスの窓口に電話します。

代理援助、書類作成援助を受ける場合でも、まずは法律相談を受けることが先決です。

電話では、担当者から法律相談援助を受けるための必要事項(相談内容、収入・家族構成・家賃又は住宅ローン、保有資産)を聴かれ、法律相談援助の要件を満たすと判断された場合は、法律相談の予約を取ります。

その後、指定された日時に法テラスへ行き、弁護士に法律相談します(弁護士を指定することはできません)。

そして、法律相談で問題が解決しなかった場合にはじめて代理援助・書類作成援助の利用の申し込みて手続きに入ります

利用するには収入等を証明する書類の準備や審査が必要なことはすでに述べたとおりです。

法律事務所を通じて申し込む方法

法律事務所を通じて法テラスの利用を申し込むには、その法律事務所が法テラスに対応している法律事務所かどうか事務所のホームページなどで確認する必要があります

その上で、法律事務所に法律相談を申込み、弁護士に法律相談します。

この際の法律相談は無料の場合と有料の場合がありますので、この点もあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

法律事務所を通じて申し込むメリットは、ご自身で弁護士を選べる、申し込みの手続きを法律事務所が行ってくれるという点です。ただし、証明書類はご自身で準備する必要があります。

 

まとめ

「弁護士に相談、依頼したいけど、経済的に余裕がなくて相談、依頼できない」という場合は、一度、法テラスに利用できるかどうかも含めて相談してみるとよいと思います。

ただし、利用後は、費用は発生しますし、何年かかけて費用を返済しなければならない場合もあります。

法テラスだからといって、誰しも費用が無料となるわけではありません。

後々に困らないためにも、援助開始前に契約内容をしっかり確認し、納得の上で依頼するようにしましょう。