離婚の弁護士費用の相場は?安くする方法、払えない場合の対処法は?

離婚の手続き
離婚を検討中で、弁護士にいろいろ頼みたいけど、
■ 弁護士費用っていくらかかるの?
■ 内訳はどうなっているの?
■ 相場はどのくらい?
■ 安くするコツってあるの?
■ 払えない場合は、頼むのを諦めるしかないかな?

この記事は上記のような疑問、お悩みを解決できる内容になっています。

離婚するとなるとあれもこれもとやることが多すぎて、何から手をつければよいか正直わかりませんよね?そんなときに頼りになるのが弁護士ではないでしょうか?しかし、弁護士と聞くと「敷居が高い」、「費用が高い」というイメージをもたれている方も多いと思います。

そこで、この記事の前半では弁護士費用の内訳や相場、後半では弁護士費用を少しでも安くする方法やそれでも払えない場合の対処法を解説します。

この記事が今後の弁護士選びの一助となれば幸いです。

離婚の弁護士費用の内訳

それでは、はじめに弁護士費用の内訳がどうなっているのかみていきましょう。弁護士費用の内訳は、

■ 法律相談料
■ 着手金
■ 成功報酬金
■ 日当費
■ 実費

から構成されています。

法律相談料【無料~】

法律相談料は弁護士に正式に依頼する(委任契約を締結する)前に、弁護士に法律相談した際にかかる費用です。

依頼した後は弁護士費用に含まれているため、相談の都度、費用が発生するということはありません。

近年は「無料」とする事務所も増えています。ただし、回数は1回、時間は30分、60分などと制限が設けられていることが多いです。

着手金【10万円~】

着手金は、弁護士に正式に依頼した直後に発生する費用です。

着手金は依頼後、弁護士が実際に弁護活動に着手する前に支払わなければならないお金です。また、多くの場合、一括での支払いを求められます(事務所によっては、分割にも対応してくれます)。

着手金は弁護士が弁護活動に着手するためのお金であって、成果にかかわらず返金されない点に注意が必要です。

成功報酬金【成果による】

成功報酬金は、弁護活動の成果に応じて発生する費用です。

成功報酬金は「基礎(固定)報酬金」と「追加報酬金」の2階建てとされるのが一般的です。

そして、仮に弁護士に配偶者との離婚を依頼した場合は、離婚できたことにつき「基礎報酬金」が、その他の離婚条件につき「追加報酬金」が発生します。

※離婚条件に関する追加報酬金
離婚条件にはお金にかかわる「婚姻費用」、「養育費」、「慰謝料」、「財産分与」、お金にかかわらない「親権」、「面会交流」などがあります。お金にかかわる離婚条件の追加報酬金は「得られた利益の〇〇%(ただし、婚姻費用、養育費について期間制限あり)」、お金にかかわらない追加報酬金は「〇〇万円」と固定の追加報酬金を設定されます。

日当費【弁護活動による】

日当費は、弁護士が事務所外で活動を行った際に発生する費用です。

たとえば、事務所外での配偶者との話し合いや調停・裁判での出廷で「(1回につき)●●万円」と固定の費用が発生することが多いです。当然、回数が多くなればなるほど日当費は高額となります。

実費【弁護活動による】

実費は、弁護活動によって実際にかかった費用です。

たとえば、文書を発送するための郵送費、公正証書を作成する際に必要な手数料、弁護士が活動場所までに行く際の交通費などです。

【ケース別】離婚の弁護士費用の相場

次に、離婚の弁護士費用の相場を協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つのケースにわけてみていきましょう(ただし、協議段階から弁護士に依頼し、協議➡調停➡裁判と進んでいったと仮定します)。

前提として、あなたがこれから依頼する弁護士の法律事務所の料金体系は以下のとおりとします(金額はすべて税込みです)。

■ 法律相談料:無料
■ 着 手 金:22万円
■ 成功報酬金:以下のとおり
●基礎報酬金:33万円 (親権獲得も含む)
●追加報酬金
・婚姻費用:経済的利益×11%(2年分が上限)
・養育費 :経済的利益×11%(2年分が上限)
・慰謝料 :経済的利益×11%
・財産分与:経済的利益×11%(3000万円以下の場合)
※経済的利益
結果的に請求できる額(得られる額)


また、「協議離婚のケース」では、

  • (親権ついて争っていて)親権のみ獲得したケース
  • 親権に加えて婚姻費用(※1)、養育費(※2)、慰謝料(※3)、財産分与(※4)を獲得したケース

にわけて弁護士費用を計算します。

それ以外の「調停離婚のケース」、「裁判離婚のケース」では、「協議離婚のケース」で計算した弁護士費用に一定の金額が加算された金額が弁護士費用(目安)とお考え下さい。

※1 婚姻費用の経済的利益「120万円」(仮)
=「月5万円 別居期間2年(24か月)」として…
=「5×24」=120万円
※2 養育費の経済的利益は144万円(仮)
=「月6万円 10年間受け取る」として…
=「6×12×2」=144万円
※3 慰謝料の経済的利益は100万円(仮)
※4  財産分与の経済的利益は300万円(仮)

協議離婚のケース【55万円~】

まず、親権のみを獲得したケースの弁護士費用の相場は「55万円~」です。

■ 着 手 金:22万円
■ 成功報酬金:33万円
■ 日 当 費:弁護活動による
■ 実   費:弁護活動による

次に、親権+婚姻費用+養育費+慰謝料+財産分与のケースの弁護士費用の相場は「128万円~」です。

■ 着 手 金:22万円
■ 成功報酬金:106万円
●基礎報酬金:33万円
●追加報酬金:73万円
・婚姻費用 13.2万円(=120万円×11%)
・養育費  15.8万円(=144万円×11%)
・慰謝料  11万円 (=100万円×11%)
・財産分与 33万円 (=300万円×11%)
■ 日 当 費:弁護活動による
■ 実   費:弁護活動による 

なお、養育費などのお金を支払いを求める場合は強制執行認諾付き公正証書を作成することをおすすめします。作成する際は費用が発生します。詳細は以下の記事でご確認ください。

 

調停離婚のケース【60万円~】

協議から調停に移行する場合は、追加の着手金が発生する場合と発生しない場合があります。発生する場合の着手金の相場は「11万円~」です。

そのほか、日当費にも注意が必要です。なぜなら、調停となれば、弁護士が調停で活動を行ったことに対する日当費が発生し、その相場も「2万2,000円~」と決して安くはないからです。また、通常、調停が1回で終わることはありません。回数が多くなる分、日当費は高額となります。

追加の着手金が発生せず、かつ、調停が2回で終わったと仮定すると、弁護士費用は「60万円前後~」が相場といえます。

裁判離婚のケース【80万円~】

調停から裁判に移行する場合は、追加の着手金が発生することが多いです。追加の着手金は「16万円~」が相場です。

また、調停と同様、弁護士が裁判で活動を行ったことに対する日当費が発生します。日当費は「3万3,000円~」が相場です。

追加の着手金が発生し、かつ、裁判が2回で終わったと仮定すると、弁護士費用の相場は「80万円前後~」といえます。

離婚の弁護士費用を安く抑えるポイント


これまでみてきたとおり、離婚の弁護士費用は決して安くはありません。ただ、安く抑えるコツはあります。以下ではそのコツをご紹介したいと思います。

複数の法律事務所を比較検討する

まず、可能な限り、複数の法律事務所を比較検討することです。近年は事務所まで足を運ばなくても、ネット上で、検索して比較検討することも可能です。

ただし、ある程度、候補を絞ったら、実際に事務所まで足を運ぶことをおすすめします。なぜなら、ネットに書かれてあることと実際が異なる可能性も十分にありえるからです。また、依頼した後は弁護士と長い付き合いになるかもしれません。実際に足を運んで、事務所の規模や雰囲気、実際に依頼するであろう弁護士の人柄や弁護士との相性をよく確認してください

協議離婚する

【ケース別】離婚の弁護士費用の相場をご覧いただいてもわかるとおり、弁護士費用は協議→調停→裁判と進むにつれ高くなっていきます。そのため、なるべく協議の段階で離婚を成立させるのも、弁護士費用を安く抑えるコツといえます。

協議離婚を成立させるコツ配偶者に離婚を切り出す前に、しっかりとした事前準備を進めつつ、早めに弁護士に相談することです。配偶者に離婚を切り出してから弁護士に相談しても、すでに話がこじれてしまって、弁護士でも協議で話をまとめることが難しい場合があるからです。

 

弁護士に依頼する事項を絞る

次に、弁護士に依頼する項目を絞るということです。

弁護士が離婚でやることは大きく分けると「代理」か「書類作成」かになります。

「代理」は交渉や調停・裁判への出廷など弁護士にとっても負担が大きい事務が多くなります。一方、「書類作成」は離婚協議書や公正証書(案)などの書類を作成するのみで、交渉などは行いません。そのため、書類作成の弁護士費用は代理に比べて大幅に安くなります(15万円前後)。

そこで、たとえば、話し合いは夫婦で行って、書類作成のみ弁護士に依頼すれば弁護士費用を安く抑えることができますね。ただ、この方法の欠点は自分たちで話し合いをしなければならないという点です。繰り返しになりますが、話がこじれるようでしたら、早めに弁護士に相談しましょう。

自分で解決する

最後に、自分で解決することです。

離婚に関する知識をもっていて、離婚条件に関してうまく話をまとめる自信がある場合は選択肢の一つといえます。また、法律事務所の法律相談のほか市区町村が主催する法律相談、弁護士会が主催する法律相談をうまく活用できれば、弁護士のアドバイスを受けながら進めることも可能ではあります。

もっとも、話がうまくまとまるという補償はありません。特に、離婚では夫婦の感情が激しく対立しますから、当事者同士での話し合いではなかなか進展を期待できないかもしれません。話がこじれた後では、協議による離婚も難しくなる可能性があります。

自分で解決してみるか弁護士に依頼するかは慎重に見極めなければいけません。

弁護士費用を払えない場合は「法テラス」を利用しよう

弁護士費用を払えない場合は、親など親しい方に援助してもらうという手もあります。援助が難しい場合や援助を頼みたくない場合は、「法テラス」の利用を検討してみましょう。法テラスを利用するメリットは

■ 弁護士費用自体が低額
■ 着手金を立て替えてくれる
■ 分割返済が可能
■ 生活保護受給者には返済の猶予、免除制度がある

という点です。

詳細は以下の記事で詳しく解説しています。

 

弁護士費用を支払う際の注意点

弁護士費用を支払う際の注意点は以下のとおりです。

内訳によって支払うタイミングが異なる

一つ目に、内訳によって支払うタイミングが異なる点です。すなわち、

■ 法律相談料 ➡ 依頼前、相談後
■ 着手金   ➡ 依頼直後
■ 報酬金   ➡ 弁護活動終了後
■ 日当費   ➡ 弁護活動終了後
■ 実 費   ➡ 弁護活動終了後  

となります。

前述のとおり、着手金は依頼後、一括での支払いを求められることが多いです。難しい場合は、相談時に、分割での支払いも可能かどうか確認しておくとよいです。

弁護士費用は自己負担

二つ目に、弁護士費用は自己負担しなければいけない点です。

自己負担というのはあなた個人のお金で負担しなければいけないということです。夫婦のお金は財産分与(※)の対象となる可能性がありますから、夫婦のお金で支払うと後で揉める原因にもなりかねません。

また、原則として、配偶者に負担を求めることはできません。裁判の判決まで手続きを進めた場合は、慰謝料の1割を上乗せして請求することが認められていますが、裁判の判決まで至ることは稀です(判決よりも和解の方が多く、通常、和解では上乗せ請求しません)。

そのほか、協議段階で上乗せして請求する手もありますが、請求できるのは配偶者の有責性が強い場合(不貞で離婚に至った場合)や配偶者が積極的に離婚を望んでいる場合などに限られます。

 

今回の内容は以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事の執筆者
小吹 淳

行政書士、夫婦問題(離婚)カウンセラー | 大学卒業後、官庁勤務(約13年)→法律事務所勤務(約4年)を経て現在に至ります | 現在「離婚協議書、離婚公正証書の作成&サポート」、「夫婦問題・離婚カウンセリング
」業務を中心とする行政書士事務所開業に向けて準備中です | 本サイトでは離婚で役立つ情報をわかりやすく解説しています | 二児の父親 | 趣味はサッカー観戦と旅行

離婚の手続き
離婚のお悩み相談室